第二編 物権/第二章 占有権/第二節 占有権の効力
民法 第193条(盗品又は遺失物の回復)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 盗品・遺失物の回復請求期間の起算点:盗品・遺失物の回復請求期間は占有開始時ではなく盗難・遺失の時から二年。
- 盗品の即時取得と回復請求の関係:盗品・遺失物は二年間回復請求に服する。市場等で買い受けた場合は代価弁償が必要。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第193条(盗品又は遺失物の回復)
前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。
この条文の〇×問題(2問)
盗品・遺失物の回復請求期間の起算点
他人から盗まれた動産を善意で買い受けて占有している者に対して、被害者がその物の回復を請求することができるのは、その占有者が物の占有を始めた時から二年間に限られる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。回復請求ができる二年間の起算点は盗難又は遺失の時であって、占有者が占有を始めた時ではない。盗難から二年が経過していれば、占有者がごく最近占有を始めた場合でも被害者は回復を請求できなくなる。占有開始時から起算する考えは占有者の保護を過大にする誤りである。
学習ポイント:盗品・遺失物の回復請求期間は占有開始時ではなく盗難・遺失の時から二年。
第193条
盗品の即時取得と回復請求の関係
盗まれた動産を取引行為によって善意かつ無過失で平穏に公然と占有を始めた者であっても、被害者から盗難の時から二年以内に回復の請求を受けたときは、返還に応じなければならない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。盗品又は遺失物については、占有者が即時取得の要件を満たしていても、被害者又は遺失者は盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対して回復を請求できる(193条)。ただし、占有者が競売や公の市場、同種の物を販売する商人から善意で買い受けたときは、被害者は占有者が支払った代価を弁償しなければ回復できない(194条)。
学習ポイント:盗品・遺失物は二年間回復請求に服する。市場等で買い受けた場合は代価弁償が必要。
第193条、関連:第192条・第194条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問9オ
A所有の甲動産を盗んだBが、甲動産がBの所有であると過失なく信じているCに対して甲動産を売却し、現実の引渡しをした場合には、Aは、その盗難から2年間は、Cに対し、甲動産の返還を求めることができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。盗品については被害者は盗難の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求できる(193条)。
司法書士平成28年度 問8ア
Aが動産甲をBに貸していたところ、Bの家から動産甲を盗んだCが、自己の所有物であると偽って、Cが無権利者であることについて善意無過失のDに動産甲を売り渡した場合には、Bは、盗難の時から2年以内であれば、Dに対して動産甲の返還を請求することができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。被害者及び占有者は、盗難又は遺失の時から2年間は盗品・遺失物の回復を請求できる(民法193条)。Bは占有者としてDに返還を請求できる。
司法書士平成28年度 問8イ
Aから動産甲を詐取したBが、自己の所有物であると偽って、Bが無権利者であることについて善意無過失のCに動産甲を売り渡した場合には、Aは、詐取された時から2年以内であれば、Cに対して動産甲の返還を請求することができる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。詐取による占有移転は盗難・遺失に当たらず(判例)、193条の回復請求はできない。
マン管令和5年度 問12肢4
無職のEがBが不在の間に508号室に侵入して絵画を盗み、Fに売却したところ、FがEの所有物であると過失なく信じていた場合において、絵画の占有が現実にEからFに移転されたときであっても、Aは、盗難の時から2年以内にFに絵画の返還を請求すれば認められる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。盗難品について被害者は盗難の時から2年以内に占有者に対して無償で返還を請求することができる。
解説で第193条を参照している問
問題で確認する
第193条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。