第三編 債権/第一章 総則/第六節 債権の消滅/第二款 相殺
民法 第506条(相殺の方法及び効力)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 相殺の意思表示への条件・期限の付加禁止:相殺の意思表示に条件・期限は付せない。付した意思表示は効力を生じない。
- 相殺の効力の遡及:相殺の効力は相殺適状に遡及するため、適状後の利息・遅延損害金は生じない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第506条(相殺の方法及び効力)
相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
②前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。
この条文の〇×問題(2問)
相殺の意思表示への条件・期限の付加禁止
甲が乙に対して相殺の意思表示をする際に、乙が一定の期間内に異議を述べないことを効力発生の条件として付した場合、その意思表示は条件の成否にかかわらず効力を生じない。
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正解 ○
正しい。民法506条1項は、相殺の意思表示には条件又は期限を付することができないと定める。相殺は一方の意思表示だけで債務を消滅させる強い効果を持つため、その効力を不確定な事実や将来の時点に依存させると相手方の法律関係が不安定になる。この禁止に反する意思表示は効力を生じない。
学習ポイント:相殺の意思表示に条件・期限は付せない。付した意思表示は効力を生じない。
第506条1項
相殺の効力の遡及
相殺の意思表示が相手方に到達した時に初めて債務の消滅効果が生じるため、双方の債務が相殺に適するようになった時から意思表示の時までの間に発生した遅延損害金については、相殺をしても支払義務を免れることはできない。
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正解 ×
誤り。民法506条2項は、相殺の意思表示は双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼって効力を生ずると定める。相殺適状の時点で債務が消滅したものと扱われるため、その後に発生したはずの利息や遅延損害金の支払義務は生じない。
学習ポイント:相殺の効力は相殺適状に遡及するため、適状後の利息・遅延損害金は生じない。
第506条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問16ア
相殺の意思表示には、期限を付することができる。
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誤り
誤り。相殺の意思表示には条件・期限を付することができない(506条1項後段)。
司法書士令和2年度 問6エ
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正しい
正しい。相殺の意思表示は、その効果の発生時期を左右されると相手方の法的地位が不安定になるため、条件又は期限を付することは許されない(大判大7.5.29等)。
解説で第506条を参照している問
問題で確認する
第506条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。