第三編 債権/第一章 総則/第六節 債権の消滅/第二款 相殺
民法 第505条(相殺の要件等)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 受働債権の弁済期未到来と期限の利益の放棄:相殺には自働債権の弁済期到来が必須。受働債権は期限の利益の放棄で足りる。
- 相殺禁止の意思表示の第三者への対抗力:相殺禁止の意思表示で対抗できるのは、悪意または重大な過失のある第三者だけ。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第505条(相殺の要件等)
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
②前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。
この条文の〇×問題(2問)
受働債権の弁済期未到来と期限の利益の放棄
甲が乙に対する貸金債権は既に弁済期に到来しているが、甲が乙に対して負担している債務の弁済期はまだ到来していない場合でも、甲は自己の債務の期限の利益を放棄することにより、その対当額について相殺をすることができる。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。相殺には相殺をする者の債権(自働債権)が弁済期にあることが必要だが、相手方の債権(受働債権)の弁済期が未到来でも、相殺者が自己の債務の期限の利益を放棄することで足りる(民法136条2項)。期限は債務者の利益のために定めたものと推定される(同条1項)。
学習ポイント:相殺には自働債権の弁済期到来が必須。受働債権は期限の利益の放棄で足りる。
第505条1項、関連:第136条1項・2項
相殺禁止の意思表示の第三者への対抗力
債権者と債務者との間で相殺を禁止する旨の合意がされた場合、その債権を譲り受けた第三者は、その合意の存在を知らなかったとしても当該合意の効力を免れず、債務者との関係で相殺を主張することはできない。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。民法505条2項は、相殺を禁止し又は制限する旨の意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができると定める。合意を知らなかったことに重大な過失のない第三者には対抗できず、その第三者は相殺を主張できる。
学習ポイント:相殺禁止の意思表示で対抗できるのは、悪意または重大な過失のある第三者だけ。
第505条2項、関連:第466条3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
マン管平成30年度 問14肢3
BがAに対し弁済期が到来した50万円の貸金債権を有しているとき、Bは、Aに対し、当該貸金債権と101号室の5月分の賃料10万円及びいまだ支払期限の到来していない6月から9月までの賃料40万円とを相殺することができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。相殺は自動債権の弁済期が到来していればよく、Bは自身の債務たる受働債権の期限の利益を放棄して未到来の賃料とも相殺できる。
解説で第505条を参照している問
問題で確認する
第505条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。