資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三編 債権/第二章 契約/第七節 賃貸借/第三款 賃貸借の終了

民法 第621条(賃借人の原状回復義務)

分野:賃貸借

出題試験:宅建重要度 高行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 通常損耗・経年変化の原状回復義務からの除外:通常損耗・経年変化は原状回復の対象外。賃借人負担とするには明確で有効な特約が必要。
  • 本旨に反する使用収益による損害賠償の請求期間:賃貸借終了後の損害賠償には使用貸借の1年請求期間が準用される。一般の時効期間の長さで考えない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第621条(賃借人の原状回復義務)

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

この条文の〇×問題(2問)

通常損耗・経年変化の原状回復義務からの除外

賃貸借が終了して賃借物を返還する際、賃借人は、通常の使用方法に従っていても生じる損耗や、時間の経過によって自然に生じた変化についても、原状に復する費用を負担しなければならない。

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正解 ×

誤り。民法621条は、原状回復義務の対象となる損傷から、通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに経年変化を明示的に除外する。これらは本来賃料によって回収されるべき性質のものであり、別段の有効な特約がない限り賃借人の負担とはならない。特約が成立し有効かは、その明確性等を踏まえて別途判断される。

学習ポイント:通常損耗・経年変化は原状回復の対象外。賃借人負担とするには明確で有効な特約が必要。

第621条括弧書き

本旨に反する使用収益による損害賠償の請求期間

賃貸借が終了した後、契約の本旨に反する使用または収益によって生じた損害の賠償を請求するには、賃貸人は賃借物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。

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正解 ○

正しい。民法622条は使用貸借に関する600条を賃貸借に準用し、本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償請求は、賃貸人が賃借物の返還を受けた時から1年以内にしなければならないとする。返還を受けた時から1年が経過するまでは時効も完成しない短期の請求期間である。

学習ポイント:賃貸借終了後の損害賠償には使用貸借の1年請求期間が準用される。一般の時効期間の長さで考えない。

関連:第622条・第600条1項

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和2年10月 問4肢1

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合、通常の使用及び収益によって生じた損耗も含めてその損傷を原状に復する義務を負う。

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誤り

誤り。通常損耗・経年劣化は原状回復義務の対象外(民法621条)。

賃管令和5年度 問11肢4

民法では、賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷(通常の使用収益によって生じた損耗や賃借物の経年変化を除く)がある場合において、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものである場合を除き、賃貸借の終了時に、その損傷を原状に復する義務を負うとされている。

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正しい

正しい。賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷(通常の使用収益による損耗及び経年変化を除く)について、賃借人の責めに帰することができない事由によるものを除き、賃貸借の終了時に原状に復する義務を負う(民法621条)。

賃管令和元年度 問17肢3

賃貸物件に対して権利を主張する第三者が存在する場合、借主は貸主がその事実を知っていたときでも、貸主に対して通知する義務を負う。

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誤り

誤り。貸主が第三者の権利主張の事実を知っているときは通知義務はない(民法621条)。

マン管令和3年度 問17肢1

Aの居住中に404号室に損傷が生じた場合であっても、その損傷が通常の使用収益によって生じた損耗に当たるときは、Bは、Aに対し、その損傷を原状に復するよう請求することができない。

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正しい

正しい。通常の使用収益によって生じた損耗(通常損耗)は原状回復義務の対象外(民法621条)。

問題で確認する

第621条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。