第三編 債権/第五章 不法行為
民法 第718条(動物の占有者等の責任)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 占有者の免責と所有者責任の不存在:動物の占有者の免責が成立しても、責任が所有者に移る規定はない。
- 占有者に代わる管理者の責任:動物を現に管理する代行者も占有者と同じ賠償責任を負う。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第718条(動物の占有者等の責任)
動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
②占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
占有者の免責と所有者責任の不存在
動物の占有者が、その動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたことを証明したときは、土地の工作物の瑕疵による損害の場合と同様に、その動物の所有者が損害賠償の責任を負う。
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正解 ×
誤り。動物の占有者がその種類及び性質に応じた相当の注意をもって管理したことを証明すれば免責されるが、占有者の免責を所有者の賠償責任に結び付ける規定はない。土地の工作物では占有者が必要な注意をしたとき所有者が責任を負う構造になっており、両者は異なる。
学習ポイント:動物の占有者の免責が成立しても、責任が所有者に移る規定はない。
第718条1項ただし書、関連:第717条1項ただし書
占有者に代わる管理者の責任
飼い主の依頼を受けて犬の散歩の管理を任されていた者が、その管理している間に犬が通行人に噛みついて損害を与えた場合、その者は動物の占有者ではないことを理由に賠償責任を免れることはできない。
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正解 ○
正しい。占有者に代わって動物を管理する者も占有者と同じ賠償責任を負うと明示されている。依頼を受けて現に動物の管理を行っていた者は、占有者でないことだけでは免責されず、その種類及び性質に従い相当の注意をもって管理したことを証明しない限り責任を負う。
学習ポイント:動物を現に管理する代行者も占有者と同じ賠償責任を負う。
第718条2項・1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和元年 問34肢4
犬の飼主がその雇人に犬の散歩をさせていたところ、当該犬が幼児に噛みついて負傷させた場合には、雇人が占有補助者であるときでも、当該雇人は、現実に犬の散歩を行っていた以上、動物占有者の責任を負う。
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妥当でない
犬の散歩をする雇人が占有補助者の場合、動物占有者の責任は占有者(飼主)に帰属し雇人は負わない(民法718条・占有補助)。妥当でない。
行政書士平成28年 問34イ
Dの飼育する猛犬がE社製の飼育檻から逃げ出して通行人Fに噛みつき怪我を負わせる事故が生じた場合において、Dが猛犬を相当の注意をもって管理をしたことを証明できなかったとしても、犬が逃げ出した原因がE社製の飼育檻の強度不足にあることを証明したときは、Dは、Fに対する損害賠償の責任を免れることができる。
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動物占有者は『相当の注意をもって保管』を証明すれば免責(718条1項)…檻の強度不足の証明では『相当の注意による保管』の証明にならない…判例上相当の注意の立証は厳格。誤り。
解説で第718条を参照している問
問題で確認する
第718条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。