使用者責任
- 原則
- 事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。使用者に代わって事業を監督する者も同じ責任を負います。
- 例外・制限
- 条文上は、使用者が被用者の選任と事業の監督に相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは免責されます。「事業の執行について」は、行為の外形から客観的に判断するとされます(判例)。
- 具体例
- 運送会社Aの従業員Bが配送中に交通事故を起こし、歩行者Cにけがをさせました。Cは、B本人の不法行為責任とは別に、A社に使用者責任による賠償を請求できます。
- 条件を変えた対照例
- 取引の場面で、被用者の行為が職務の範囲内でないことを相手方が知っていたか、重大な過失で知らなかった場合は、相手方は使用者責任を追及できないとされます(判例)。外形を信頼していない者まで保護する必要がないからです。
- 第三者との関係
- 被害者に賠償した使用者は被用者に求償できますが(3項)、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度に制限されます(判例)。逆に被用者が被害者に賠償した場合も、相当な額を使用者に求償できるとされます(判例)。