第四編 親族/第五章 後見/第三節 後見の事務
民法 第854条(財産の目録の作成前の権限)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 権限制限を善意の第三者に対抗できない:目録作成前の権限制限は内部の制約で、権限外と知らない第三者には主張できない。
- 就職後の包括財産取得への権限制限の準用:就職後の包括財産取得には財産調査・目録作成・権限制限の規定がそのまま準用される。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第854条(財産の目録の作成前の権限)
後見人は、財産の目録の作成を終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
この条文の〇×問題(2問)
権限制限を善意の第三者に対抗できない
財産の目録の作成が終わる前に後見人が行った行為が急迫の必要に基づくものでないことを知らない第三者に対しては、後見人の権限の範囲外の行為であったことを理由に、その行為の効力を争うことができない。
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正解 ○
正しい。民法854条ただし書は、財産の目録作成終了前の権限制限を善意の第三者に対抗できないとする。相手方が権限外の行為であることを知らなければ、後見人の権限制限を主張してその行為の効力を否定することはできない。権限制限は内部的な制約にとどまり、善意の第三者は保護される。
学習ポイント:目録作成前の権限制限は内部の制約で、権限外と知らない第三者には主張できない。
第854条ただし書
就職後の包括財産取得への権限制限の準用
後見人が就職した後に被後見人が包括財産を取得した場合でも、財産の調査と目録の作成の義務は就職時に存在した財産に限られるため、新たに取得した財産については目録作成前の権限制限を受けずに行為をすることができる。
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正解 ×
誤り。民法856条は、財産の調査・目録の作成と目録作成前の権限制限に関する前三条の規定を、後見人が就職した後に被後見人が包括財産を取得した場合に準用する。したがって新たに取得した財産についても改めて調査と目録の作成が必要となり、その作成を終えるまでは急迫の必要がある行為のみをする権限に制限される。
学習ポイント:就職後の包括財産取得には財産調査・目録作成・権限制限の規定がそのまま準用される。
第854条、関連:第856条
根拠・関連条文
問題で確認する
第854条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。