第二編 株式会社/第二章 株式/第四節 株式会社による自己の株式の取得/第三款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得/第一目 取得請求権付株式の取得の請求
会社法 第166条(取得の請求)
この条の要点
- 取得請求権の分配可能額による制限:取得請求権の行使は財源規制を受ける。自社株式以外の財産を交付する場合が対象。
- 取得請求権行使の方式:取得請求には請求株式の数(種類会社は種類ごと)の明示が要る。方式要件を確認。
条文原文
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第166条(取得の請求)
取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第百七条第二項第二号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第四百六十一条第二項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。
②前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
③株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第一項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
取得請求権の分配可能額による制限
取得請求権付株式の株主は、株式会社が交付すべき財産の帳簿価額がその時点の分配可能額を超えている場合でも、常に株式会社に対し当該株式の取得を請求することができる。
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正解 ×
誤り。取得請求権付株式の株主は株式会社に対し株式の取得を請求できるが、引換えに当該株式会社の株式以外の財産(社債・新株予約権・金銭等)を交付する場合で、その帳簿価額が請求日の分配可能額を超えるときは請求できない(166条1項ただし書)。財源規制により請求が制限される。
学習ポイント:取得請求権の行使は財源規制を受ける。自社株式以外の財産を交付する場合が対象。
第166条1項ただし書、関連:第461条2項
取得請求権行使の方式
取得請求権の付いた株式を有する株主が会社にその買取りを求める際には、対象となる株式の具体的な数を明示したうえで請求しなければならない。
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正解 ○
正しい。取得請求権の請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数を明らかにしてしなければならない。種類株式発行会社では種類及び種類ごとの数を明らかにする必要がある。この「取得請求権行使の方式」を正確に理解していれば迷わず判断できる。
学習ポイント:取得請求には請求株式の数(種類会社は種類ごと)の明示が要る。方式要件を確認。
第166条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問64イ
会社が取得請求権付株式の株主から請求を受け当該取得請求権付株式の取得と引換えに当該会社の他の種類の株式を発行した場合には、取得請求権付株式の取得と引換えにする当該他の種類の株式の発行による変更の登記の申請は、当該他の種類の株式の発行の日から2週間以内にしなければならない。
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誤り
誤り。取得請求権の行使に応じて他の種類の株式を発行した場合の変更登記は、発行の日からではなく毎月末日現在により当該末日から2週間以内にすれば足りる(会社法915条3項・166条1項)。
司法書士平成31年度 問64ア
取得請求権付株式を発行している会社が、当該株式の取得と引換えに当該会社の新株予約権を交付する旨を定めている場合において、当該株式の株主からの請求を受け、当該株式を取得するのと引換えに新株予約権を発行し交付したときは取得請求権付株式の取得と引換えにする新株予約権の発行による変更の登記の申請書には、当該請求の日において当該新株予約権の帳薄価額以上の分配可能額が当該会社に存在することを証する書面を添付しなければならない。
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正しい
正しい。取得請求権付株式の取得と引換えに新株予約権を交付する場合、その帳簿価額が請求日の分配可能額を超えているときは取得請求ができない(会社法166条1項ただし書)ため、分配可能額の存在を証する書面の添付を要する。
解説で第166条を参照している問
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第166条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。