第二編 株式会社/第二章 株式/第四節 株式会社による自己の株式の取得/第四款 全部取得条項付種類株式の取得
会社法 第173条(効力の発生)
この条の要点
- 価格申立て株主の地位:取得日に全部取得の効力発生。価格申立て株主は対価変動の枠外。
- 全部取得の対価の種類
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第173条(効力の発生)
株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。
②次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主(前条第一項の申立てをした株主を除く。)は、取得日に、第百七十一条第一項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第百七十一条第一項第一号イに掲げる事項についての定めがある場合同号イの株式の株主
二 第百七十一条第一項第一号ロに掲げる事項についての定めがある場合同号ロの社債の社債権者
三 第百七十一条第一項第一号ハに掲げる事項についての定めがある場合同号ハの新株予約権の新株予約権者
四 第百七十一条第一項第一号ニに掲げる事項についての定めがある場合同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
この条文の〇×問題(2問)
価格申立て株主の地位
全部取得条項付種類株式の取得日に、裁判所に取得の価格の決定の申立てをした株主は、株主総会の決議で定めた対価による地位の変動の対象とはならない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。株式会社は取得日に全部取得条項付種類株式の全部を取得し、株主は総会決議の定めに従い対価に応じた者となる。ただし裁判所に価格決定の申立てをした株主はこの定めによる地位変動の対象から除かれる。この「価格申立て株主の地位」を正確に理解していれば迷わず判断できる。
学習ポイント:取得日に全部取得の効力発生。価格申立て株主は対価変動の枠外。
第173条1項・2項括弧
全部取得の対価の種類
全部取得条項付種類株式の株主に対する取得の対価は、当該種類株式を取得する株式会社の株式とすることはできず、必ず金銭でなければならない。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。全部取得条項付種類株式の株主に交付される対価は、株式会社の株式・社債・新株予約権・新株予約権付社債・その他の財産とすることができ、金銭に限定されない。株式の割当ては取得対価として認められる。この命題は「全部取得の対価の種類」の取り違えを誘うひっかけである。
学習ポイント:全部取得の対価は株式・社債・新株予約権・その他財産も可。金銭のみとするのは誤り。
第171条1項1号、関連:第173条2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第173条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。