第二編 株式会社/第四章 機関/第四節 取締役
会社法 第360条(株主による取締役の行為の差止め)
この条の要点
- 差止請求権の株主要件:公開会社では6ヶ月継続保有が必要。非公開会社では保有期間要件なし。
- 差止請求の損害要件(機関設計による差異):監査機関設置会社では損害要件が加重(回復不能)。機関設計で要件が変わる。
条文原文
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第360条(株主による取締役の行為の差止め)
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
②公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。
③監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。
この条文の〇×問題(2問)
差止請求権の株主要件
公開会社の株主は、株式を取得した直後であっても、取締役が法令または定款に違反する行為をし、かつ会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対しその行為をやめることを請求することができる。
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正解 ×
誤り。公開会社の株主が差止請求権を行使するには、6ヶ月(定款でこれを下回る期間を定めた場合はその期間)前から引き続き株式を有していることが必要である。株式を取得した直後の株主は差止請求をすることができない。非公開会社ではこの継続保有要件はなく、すべての株主が請求できる。
学習ポイント:公開会社では6ヶ月継続保有が必要。非公開会社では保有期間要件なし。
第360条1項・2項
差止請求の損害要件(機関設計による差異)
監査役設置会社において株主が取締役の違法行為の差止めを請求するには、会社に著しい損害が生ずるおそれでは足りず、回復することができない損害が生ずるおそれがなければならない。
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正解 ○
正しい。監査役設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社では、差止請求が認められるには「回復することができない損害」が生ずるおそれが必要とされる。これらの監査機関を設置していない株式会社では「著しい損害」が生ずるおそれで足りる。監査機関の有無で請求のハードルが異なる。
学習ポイント:監査機関設置会社では損害要件が加重(回復不能)。機関設計で要件が変わる。
第360条1項・3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成24年 問38肢2
取締役が法令または定款に違反する行為をするおそれがある場合で、当該行為によって会社に著しい損害が生じるおそれがあるときには、株主は、当該取締役に対して、当該行為の差止めを請求することができる。
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正しい
取締役の法令・定款違反行為のおそれがあり会社に著しい損害が生じるおそれがあるとき、株主は差止請求できる(360条)。非公開会社は期間要件なし。正しい。
行政書士平成22年 問36肢3
監査役および監査委員が設置されていない株式会社の株主は、取締役の法令違反行為によって、当該会社に著しい損害が生じるおそれがあるときには、当該取締役に対して当該行為をやめることを請求することができる。
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正しい
監査役等を置かない会社では、取締役の法令違反行為により会社に著しい損害が生じるおそれがあるとき、株主は行為をやめるよう請求できる(360条)。正しい。
解説で第360条を参照している問
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第360条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。