第二編 株式会社/第四章 機関/第七節 監査役
会社法 第385条(監査役による取締役の行為の差止め)
この条の要点
- 監査役の差止請求の損害要件:監査役の差止要件は「著しい損害」。株主請求の監査役設置会社の「回復不能損害」とは異なる。
- 監査役の差止請求における担保の要否:監査役の差止請求に基づく仮処分は担保不要。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第385条(監査役による取締役の行為の差止め)
監査役は、取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
②前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
この条文の〇×問題(2問)
監査役の差止請求の損害要件
監査役が取締役の違法行為をやめるよう請求するには、当該行為によって株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあることが必要である。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。監査役の差止請求権の発動要件は「著しい損害」が生ずるおそれであり、株主の差止請求(360条3項)における監査役設置会社等の「回復することができない損害」とは要件が異なる。監査役にはより緩やかな要件で差止請求権が認められている。
学習ポイント:監査役の差止要件は「著しい損害」。株主請求の監査役設置会社の「回復不能損害」とは異なる。
第385条1項、関連:第360条3項
監査役の差止請求における担保の要否
裁判所が監査役の請求に基づき仮処分をもって取締役に対して違法行為をやめるよう命ずる場合、監査役に担保を立てさせることはできない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。監査役の差止請求を受けて裁判所が仮処分をもって取締役に行為の中止を命ずる場合、担保を立てさせないものとされる。監査役は会社のための公益的な監督機関として差止請求を行うため、損害填補を担保するための供託等の担保提供が免除される。
学習ポイント:監査役の差止請求に基づく仮処分は担保不要。
第385条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成28年度 問31エ
監査役会設置会社の監査役及び監査等委員会設置会社の監査等委員は、いずれも、取締役が定款に違反する行為をするおそれがある場合において、当該行為によって会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。監査役及び監査等委員は、取締役の違法行為等により会社に著しい損害が生ずるおそれがあるとき、行為の差止めを請求できる(会社法385条1項・399条の6第1項)。
解説で第385条を参照している問
問題で確認する
第385条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。