第二編 株式会社/第五章 計算等/第三節 資本金の額等/第二款 資本金の額の減少等/第二目 資本金の額の増加等
会社法 第450条(資本金の額の増加)
この条の要点
- 剰余金の資本金振替の決定機関:剰余金の資本金への振替は株主総会の決議事項。取締役会では決められない。
- 資本金増加の限度:資本金増加額は効力発生日の剰余金額が上限。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第450条(資本金の額の増加)
株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 減少する剰余金の額
二 資本金の額の増加がその効力を生ずる日
②前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
③第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。
この条文の〇×問題(2問)
剰余金の資本金振替の決定機関
株式会社が剰余金の額を減少して資本金の額を増加する場合、その決定は、取締役会設置会社であれば取締役会の決議によっても定めることができる。
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正解 ×
誤り。剰余金の額を減少して資本金の額を増加する場合の決定は、株主総会の決議によらなければならない。減少する剰余金の額と効力発生日は総会の決議事項であり、剰余金から資本金への振替は取締役会の決議だけでは決めることができない。
学習ポイント:剰余金の資本金への振替は株主総会の決議事項。取締役会では決められない。
第450条2項、関連:第451条
資本金増加の限度
剰余金を減らして資本金を増やす際、減らせる剰余金の額は増加の効力発生時点における剰余金の額を上回ることはできない。
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正解 ○
正しい。剰余金を減少して資本金の額を増加する場合、増加する資本金の額は、その効力が生ずる日における剰余金の額を超えてはならない。資本金への振替は剰余金の範囲内でしかできず、減少する剰余金の額と効力発生日を定める必要がある。
学習ポイント:資本金増加額は効力発生日の剰余金額が上限。
第450条1項・3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成22年 問37肢2
会社が資本金を増加するために、剰余金を減少させる場合には、取締役会の決定で足りる。
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誤り
剰余金を減少させて資本金を増加するには株主総会の決議が必要で、取締役会の決定では足りない(450条)。誤り(正解)。
司法書士令和7年度 問31エ
取締役会設置会社は、取締役会の決議により、剰余金の額を減少して資本金の額を増加することができる。
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誤り
誤り。剰余金の額を減少して資本金の額を増加する場合(450条)は「株主総会の決議」によって剰余金減少の事項を定めなければならず、取締役会決議ではできない(450条2項・1項柱書後段)。
司法書士令和5年度 問67ウ
臨時株主総会の普通決議により、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することとしたときは、当該臨時株主総会の議事録を添付して、資本金の額の変更の登記を申請することができる。
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正しい
正しい。剰余金の資本組入れは株主総会の普通決議で足り(会社法450条)、定時総会に限られないため、臨時株主総会の議事録を添付して変更登記を申請できる。
司法書士平成29年度 問32エ
剰余金の配当に関する事項を取締役会が定めることができる旨を定款で定めることができる株式会社は、剰余金の額を減少して資本金の額を増加することを取締役会が定めることができる旨を定款で定めることができる。
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誤り
誤り。剰余金の資本金組入れは株主総会の決議事項であり(会社法450条)、取締役会に委任する旨の定款の定めはできない。
問題で確認する
第450条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。