第二編 株式会社/第一章 設立/第八節 発起人等の責任等
会社法 第55条(責任の免除)
この条の要点
- 発起人責任の免除要件:発起人等の責任免除には総株主の同意が必要。株主総会決議では足りない。
- 免除対象の責任範囲:免除の対象は会社への責任のみ。第三者への賠償責任は含まれない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第55条(責任の免除)
第五十二条第一項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人又は設立時取締役の負う義務及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
この条文の〇×問題(2問)
発起人責任の免除要件
発起人又は設立時取締役の現物出資財産等の不足額支払義務は、株主総会の特別決議だけでは免除できず、総株主の同意がなければ免除することができない。
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正解 ○
正しい。発起人等の現物出資財産の不足額支払義務、払込み・給付仮装の支払義務及び任務懈怠による賠償責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。株主総会の決議ではなく、総株主の同意(全会一致)が必要である。
学習ポイント:発起人等の責任免除には総株主の同意が必要。株主総会決議では足りない。
第55条
免除対象の責任範囲
発起人がその職務を行うについて悪意又は重大な過失によって第三者に生じた損害の賠償責任も、総株主の同意があれば株式会社はこれを免除することができる。
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正解 ×
誤り。総株主の同意による免除の対象は、現物出資の不足額支払義務、仮装支払義務及び設立任務懈怠による会社への賠償責任に限られる。発起人等が第三者に対して負う損害賠償責任はこの免除規定の対象外であり、会社が株主の同意で免責することはできない。
学習ポイント:免除の対象は会社への責任のみ。第三者への賠償責任は含まれない。
第55条、関連:第53条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和3年 問37肢5
発起人、設立時取締役または設立時監査役が株式会社または第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役または設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
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正しい
複数の発起人等が同一損害の賠償責任を負う場合は連帯債務者となる(会社法55条)。
行政書士平成23年 問37肢4
発起人、設立時取締役または設立時監査役が株式会社の設立にあたり任務を怠り、会社に損害を生じさせた場合には、創立総会の決議によっても、会社に対する責任を免除することはできない。
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正しい
発起人・設立時取締役・設立時監査役の設立に関する責任は総株主の同意がなければ免除できず(会社法55条)、創立総会の決議では免除できない。正しい。
司法書士令和2年度 問27ウ
発起人がその引き受けた設立時発行株式につきその出資に係る金銭の払込みを仮装した場合において、当該発起人が株式会社に対し払込みを仮装した当該金銭の全額の支払をする義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
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正しい
正しい。払込みを仮装した発起人の金銭支払義務は、総株主の同意がなければ免除することができない(会社法52条の2第1項・55条)。
司法書士平成25年度 問27オ
発起人が会社の設立についてその任務を怠ったことにより会社に対して負う損害賠償責任は、当該発起人が職務を行うにつき善意で、かつ、重大な過失がない場合でも、株主総会の特別決議によって免除することはできない。
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正しい
正しい。発起人の任務懈怠による損害賠償責任の免除には総株主の同意を要し(会社法55条)、株主総会の特別決議では免除できない。
問題で確認する
第55条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。