第三編 持分会社/第三章 管理/第二節 業務を執行する社員
会社法 第594条(競業の禁止)
この条の要点
- 競業取引の承認要件
- 競業違反の利益額の推定:競業違反で社員・第三者が得た利益額が会社の損害額と推定される。損害立証が容易になる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第594条(競業の禁止)
業務を執行する社員は、当該社員以外の社員の全員の承認を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
一 自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をすること。
二 持分会社の事業と同種の事業を目的とする会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
②業務を執行する社員が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって当該業務を執行する社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定する。
この条文の〇×問題(2問)
競業取引の承認要件
持分会社の業務を執行する社員が自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をするには、他の社員の過半数の承認を受ければ足りる。
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正解 ×
誤り。業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社の事業の部類に属する取引をするには、他の社員の全員の承認を受けなければならない。利益相反取引の過半数承認と異なり、競業取引は全員承認が要件である。
学習ポイント:競業取引は他の社員全員の承認。利益相反取引の過半数承認と要件が違う。
第594条1項、関連:第595条1項
競業違反の利益額の推定
承認を得ないで競業となる取引をした業務執行社員や第三者がその取引から得た利益については、会社が受けた損害の額と同じだけあったものと推定される。
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正解 ○
正しい。業務を執行する社員が承認なく自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をしたときは、その取引によって当該社員又は第三者が得た利益の額は、持分会社に生じた損害の額と推定される。本問は「損害額の推定」を正確に把握しているかを問うものである。
学習ポイント:競業違反で社員・第三者が得た利益額が会社の損害額と推定される。損害立証が容易になる。
第594条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成29年度 問33オ
合同会社の業務を執行する社員が第三者のために当該合同会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合には、当該社員以外の業務を執行する社員の全員の承認を受けなければならない。
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誤り
誤り。業務執行社員の第三者のための競業取引には、当該社員以外の社員(業務執行しない社員を含む総社員)の全員の承認を要する(会社法594条1項1号)。
解説で第594条を参照している問
問題で確認する
第594条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。