第三編 持分会社/第三章 管理/第二節 業務を執行する社員
会社法 第595条(利益相反取引の制限)
この条の要点
- 利益相反取引の承認:利益相反取引は当該社員以外の社員の過半数承認。競業取引の全員承認と区別する。
- 民法双方代理規定の不適用:持分会社の利益相反取引には民法108条の適用なし。承認があれば有効に成立する。
条文原文
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第595条(利益相反取引の制限)
業務を執行する社員は、次に掲げる場合には、当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
一 業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするとき。
二 持分会社が業務を執行する社員の債務を保証することその他社員でない者との間において持分会社と当該社員との利益が相反する取引をしようとするとき。
②民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項各号の取引については、適用しない。
この条文の〇×問題(2問)
利益相反取引の承認
業務執行社員が自分自身や第三者のために会社との間で取引をしようとする場合、その社員を除く残りの社員の過半数の賛成を得る必要がある。
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正解 ○
正しい。業務を執行する社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をしようとするときは、当該社員以外の社員の過半数の承認を受けなければならない。競業取引の全員承認とは要件が異なり、過半数で足りる。本問は「当該社員以外の社員の過半数」を正確に把握しているかを問うものである。
学習ポイント:利益相反取引は当該社員以外の社員の過半数承認。競業取引の全員承認と区別する。
第595条1項、関連:第594条1項
民法双方代理規定の不適用
持分会社において承認を受けた利益相反取引についても、民法の双方代理を禁止する規定が適用され、当該取引は無効となるおそれがある。
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正解 ×
誤り。業務を執行する社員と持分会社との間の取引には、民法の双方代理の禁止の規定は適用されない。会社法が独自の承認手続を用意しているため、承認を得た利益相反取引は有効に成立する。この問題は「108条適用の有無」の点を混同させる命題であり、正確な要件の理解が問われる。
学習ポイント:持分会社の利益相反取引には民法108条の適用なし。承認があれば有効に成立する。
第595条3項、関連:民法108条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問33エ
合同会社においては、業務を執行する社員が自己のために合同会社と取引をしようとする場合に当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認を受けることを要しないとの定款の定めを設けることはできない。
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誤り
誤り。業務執行社員が自己又は第三者のために持分会社と取引をする場合(利益相反取引)、原則として他の社員の過半数の承認を要するが、定款に別段の定めがある場合はこの限りでない(595条1項)。
解説で第595条を参照している問
問題で確認する
第595条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。