資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 株式会社/第九章 清算/第一節 総則/第二款 清算株式会社の機関/第三目 清算人の職務等

会社法 第486条(清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任)

分野:解散・清算

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 競業取引の利益額と損害額の推定:競業取引で得た利益額は会社の損害額と推定される。みなしではなく反証可能。
  • 任務懈怠の損害賠償責任:任務懈怠責任は損害の発生が前提。懈怠の事実だけでは賠償責任は成立しない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第486条(清算人の清算株式会社に対する損害賠償責任)

清算人は、その任務を怠ったときは、清算株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

②清算人が第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。

③第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号又は第三号の取引によって清算株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる清算人は、その任務を怠ったものと推定する。

一 第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項の清算人

二 清算株式会社が当該取引をすることを決定した清算人

三 当該取引に関する清算人会の承認の決議に賛成した清算人

④第四百二十四条及び第四百二十八条第一項の規定は、清算人の第一項の責任について準用する。この場合において、同条第一項中「第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第四百八十二条第四項において準用する第三百五十六条第一項第二号」と読み替えるものとする。

この条文の〇×問題(2問)

競業取引の利益額と損害額の推定

清算人が自己又は第三者のために清算株式会社の事業の部類に属する取引をした場合、その取引により清算人又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額とは無関係に算定される。

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正解 ×

誤り。清算人が競業避止の規律に違反して自己又は第三者のために清算株式会社の事業の部類に属する取引をしたときは、その取引によって清算人又は第三者が得た利益の額は、清算株式会社に生じた損害の額と推定される(486条2項)。損害額と無関係に算定されるわけではない。推定であるから、反証により覆すことはできる。

学習ポイント:競業取引で得た利益額は会社の損害額と推定される。みなしではなく反証可能。

第486条2項、関連:第356条・第365条

任務懈怠の損害賠償責任

清算人がその任務を怠った場合、清算株式会社に現実の損害が生じていなくても、清算人は会社に対して損害賠償責任を負う。

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正解 ×

誤り。清算人の会社に対する損害賠償責任は、その任務を怠ったことによって損害が生じた場合に発生する。任務懈怠だけで損害が生じていなければ賠償責任は成立しない。この問題は「責任の発生要件」の点を混同させる命題であり、正確な要件の理解が問われる。

学習ポイント:任務懈怠責任は損害の発生が前提。懈怠の事実だけでは賠償責任は成立しない。

第486条1項、関連:第330条・第478条8項

問題で確認する

第486条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。