資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第四章 国会

日本国憲法 第50条

分野:国会

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 不逮捕特権の例外:不逮捕特権は会期中のみ・法律の定める例外あり。絶対的免除ではない。
  • 会期前逮捕議員の釈放:会期前逮捕の議員は議院の要求で会期中釈放。釈放の引き金は議院の要求。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第50条

両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

条文の要点

議員の不逮捕特権とは、両議院の議員が法律の定める場合を除き国会の会期中に逮捕されない特権です(50条)。

議院の審議に議員が参加できるよう、会期中の身体拘束を制限する制度です。会期前に逮捕された議員については、所属議院からの要求があれば会期中は釈放しなければなりません。

議員の不逮捕特権の限界

『法律の定める場合を除いては』との例外があり、院外における現行犯での逮捕などは排除されません。釈放は議院の要求があって初めて生じる義務で、逮捕されただけで自動的に釈放されるわけではありません。国務大臣の訴追に要する総理の同意(75条)とは別の制度です。

項役割内容
前段効果議員は法律の定める場合を除き、国会の会期中に逮捕されない
後段手続会期前に逮捕された議員は、所属議院の要求があれば会期中釈放させる

具体例

衆議院の議員Aは、会期前に傷害の容疑で逮捕され勾留中です。会期が始まり、Aの所属議院Bが釈放を要求しました。

議院の要求がある以上、Bの会期中はAを釈放しなければなりません。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aの所属議院Bが釈放の要求をしなかった場合に変えます。

釈放は議院の要求を要件とするため、要求がなければ勾留が続いても50条に反しません。

関連条との違い

  • 憲法 第51条:51条は院内の演説・討論・表決の院外免責という言動面の特権。50条は会期中の身体拘束を制限する人身面の特権
  • 憲法 第75条:75条は国務大臣の在任中の訴追に内閣総理大臣の同意を要するとする制限。50条は議員の会期中の不逮捕で、主体も対象行為も異なる

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士平成24年 問4肢2

    会期前に逮捕された議員は会期が始まれば直ちに釈放されるという誤り。釈放には所属議院の要求が必要

  • 行政書士令和6年 問7肢2

    議員の訴追に議院の同意が要るという誤り。訴追への同意が要るのは国務大臣への総理同意(75条)で、議員にはない

  • 行政書士令和7年 問6肢4

    国務大臣に会期中の不逮捕と釈放が定められたという誤り。不逮捕特権は議員の特権で、75条が定めるのは訴追への総理の同意

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 1947年5月3日施行版

この条文の〇×問題(2問)

不逮捕特権の例外

国会議員は、国会の会期中はいかなる犯罪によっても逮捕されない。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。議員の不逮捕特権は会期中逮捕されないという保障だが、「法律の定める場合を除いては」との例外があり、あらゆる犯罪を対象とする絶対的な免除ではない。院外の現行犯等、法律が定める場合には逮捕され得る。

学習ポイント:不逮捕特権は会期中のみ・法律の定める例外あり。絶対的免除ではない。

第50条

会期前逮捕議員の釈放

議院が会期前に逮捕された自院の議員の釈放を求めた場合、会期中はその要求に応じた釈放が義務づけられる。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。議院の要求による釈放は議員の活動を保障するための制度であり、議院の意思が鍵となる。議院の要求があれば釈放される制度である。

学習ポイント:会期前逮捕の議員は議院の要求で会期中釈放。釈放の引き金は議院の要求。

第50条後段

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問6肢4

国務大臣は、内閣総理大臣の同意がなければ、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された国務大臣は、内閣総理大臣の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

正誤と理由を見る

妥当でない

国務大臣について憲法75条が定めるのは「訴追」への内閣総理大臣同意権であって、会期中の不逮捕・釈放は議員特権(憲法50条)の問題。

行政書士令和6年 問7肢2

両議院の議員は、国会の会期中は、法律の定める場合を除いては逮捕されることがなく、また所属する議院の同意がなければ訴追されない。

正誤と理由を見る

妥当でない

会期中の不逮捕特権は『法律の定める場合を除く』のは正しいが、訴追に議院の同意は不要(同意が要るのは国務大臣の訴追・憲法75条)。

行政書士令和元年 問3イ

両議院の議員は、国会の会期中逮捕されないとの不逮捕特権が認められ、憲法が定めるところにより、院外における現行犯の場合でも逮捕されない。

正誤と理由を見る

不逮捕特権は院外の現行犯には及ばない(憲法50条但書の解釈:院外現行犯は逮捕可能)。誤り。

行政書士平成24年 問4肢2

両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、開会後直ちにこれを釈放しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

会期前に逮捕された議員の釈放には『その議院の要求』が必要で、当然には釈放されない。誤り。

司法書士令和4年度 問3ア

国会議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された国会議員は、当該国会議員の属する議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。国会議員は、法律の定める場合を除いては会期中逮捕されず、会期前の逮捕は議院の要求があれば釈放しなければならない(50条・不逮捕特権)。

問題で確認する

第50条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。