資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第四章 国会

日本国憲法 第51条

分野:国会

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 議員の免責特権:免責の対象は議院内の演説・討論・表決。院外の責任を問われない。
  • 免責特権の対象範囲:免責は院内の言動に限る。院外での発言は通常の法的責任を負う。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第51条

両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

条文の要点

議員の免責特権とは、両議院の議員が議院で行った演説・討論・表決について院外で責任を問われない特権です(51条)。

院内の発言・表決に民事・刑事上の法的責任が及ばないことで、議員が委縮なく言論活動を行えるようにします。国会議員に認められた特権で、地方議会の議員には認められません。

議員の免責特権の及ぶ範囲

免責の対象は議院内の演説・討論・表決に限られ、記者会見など院外での発言は対象外です。法的責任を免れるのであって、政党の規律上の除名等の処分まで禁じるものではありません。また議員個人が免責されても、国が国家賠償責任を負うことは排除されません(判例)。

項役割内容
本文(対象)要件免責される行為は議院内で行った演説・討論・表決の三類型に限られる
本文(効果)効果これらについて院外で民事・刑事等の法的責任を問われない

具体例

衆議院議員Aが議院の質疑の中で、市民Bの名誉を低下させる事実を摘示しました。

A個人の法的責任は免責されますが、職務と無関係な違法・不当な目的での摘示など特別の事情があれば、国が国家賠償責任を負いえます(判例)。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aが議院ではなく記者会見の場でBの名誉を低下させる発言をした場合に変えます。

院外での発言は免責の対象外なので、Aは通常どおり不法行為責任を問われえます。

関連条との違い

  • 憲法 第50条:50条は会期中の不逮捕という身体の自由を守る特権。51条は院内の言動の法的責任を免除する言論面の特権
  • 憲法 第75条:75条は大臣の在任中の訴追に総理の同意を要する手続上の制限で訴追権は残る。51条は責任を問われること自体を排除する免責

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士平成24年 問4肢4

    免責特権が国務大臣にも及ぶという誤り。対象は両議院の議員の院内言動に限られる

  • 司法書士令和7年度 問2ア

    院内の言動を理由に政党が除名等の処分をすることまで禁じられるという誤り。免責は法的責任の免除で、政党の規律処分は別の問題

  • 司法書士令和4年度 問3オ

    議員が免責される以上国の賠償責任もないという誤り。議員個人の免責と国の国家賠償責任は別の層の問題

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

判例

  • 国会議員の質疑と国家賠償責任最高裁判所第三小法廷 1997年9月9日

    議院での質疑等の発言で個別の国民の名誉等を低下させた場合でも、職務と無関係な違法・不当な目的での事実摘示など権限の趣旨に明らかに背く特別の事情があるときに限り、国家賠償法1条1項の責任が肯定される

法令版: 1947年5月3日施行版

この条文の〇×問題(2問)

議員の免責特権

国会議員は、議院において行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われることはない。

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正解 ○

正しい。両議院の議員は議院で行った演説・討論又は表決について院外で責任を問われない。院内の言動に対する免責であり、刑事・民事上の責任を問われない範囲は議院の中で行われた行為に限られる。免責は院内の言動に限られる。

学習ポイント:免責の対象は議院内の演説・討論・表決。院外の責任を問われない。

第51条

免責特権の対象範囲

国会議員は、議院内だけでなく、記者会見や講演など議院外で行った発言についても、議院内での発言と同様に責任を問われない。

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正解 ×

誤り。免責の対象は議院で行った演説・討論・表決に限定され、院外で行った記者会見や講演での発言は対象外である。院内の活動を保障する特権であり、議員の院外での言動全般を免責するものではない。院外での言動は免責の対象外である。

学習ポイント:免責は院内の言動に限る。院外での発言は通常の法的責任を負う。

第51条

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和元年 問3オ

地方議会の議員は、住民から直接選挙されるので、国会議員と同様に免責特権が認められ、議会で行った演説、討論または表決について議会外で責任を問われない。

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地方議会議員に免責特権は認められない(憲法51条は国会議員のみ・判例)。誤り。

行政書士平成28年 問5肢3

両議院の議員は、議院で行った演説、討論または表決について、院外で責任を問われない。

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明文で規定されている

議員の院外免責は51条の明文。

行政書士平成24年 問4肢4

国務大臣は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。

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誤り

演説・討論・表決について院外で責任を問われない免責特権は『両議院の議員』についての規定で、国務大臣一般には及ばない。誤り。

司法書士令和7年度 問2ア

両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について院外で責任を問われないため、議員が行ったこれらの行為を理由として、その所属政党が当該議員に対して除名その他の処分をすることは許されない。

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誤り

誤り。憲法51条の免責特権は院外で「法的」責任を問われないという趣旨であり、院内の演説等を理由とする政党内部の規律的処分(除名等)までを禁止するものではない。

司法書士令和4年度 問3オ

国会議員が国会での法律案の審議の際に、職務とはかかわりなく不当な目的をもって事実を摘示し個別の国民の名誉又は信用を低下させたとしても、当該国会議員は院外で損害賠償責任を問われることはなく、当該国会議員の質疑について国が損害賠償責任を負うこともない。

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誤り

誤り。議員は免責特権(51条)により個人の賠償責任を負わないが、不当な目的での質疑による名誉毀損について国が国家賠償法上の責任を負い得る(最判平9.9.9)。

司法書士平成26年度 問2肢4

両議院の議員は、院内で行なった演説、討論又は表決について院外で責任を問われないため、議員が行ったこれらの行為につき、国が賠償資任を負うことはない。

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誤り

誤り。議員の免責特権(憲法51条)は院外で責任を問われないことを定めるが、議員の行為について国が国家賠償責任を負うことを排除するものではない(最判平6.9.7)。

問題で確認する

第51条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。