資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五章 内閣

日本国憲法 第75条

分野:内閣

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 大臣の訴追免除:大臣の在任中訴追は総理の同意を要件とし、同意があれば訴追できる。
  • 訴追免除の期間限定:訴追免除は在任中のみ。辞任後は通常の訴追対象に戻る。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第75条

国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

条文の要点

国務大臣の訴追同意とは、在任中の国務大臣の訴追に内閣総理大臣の同意を要するとする制限です(75条本文)。

在任中の大臣を訴追から一時的に守る制度で、訴追の権利自体は害されません。同意があれば訴追でき、辞任・罷免で在任中でなくなればこの制約は及びません。

国務大臣の訴追同意の限界

同意を要するのは在任中の『訴追』だけで、逮捕や捜査を禁じる規定ではありません。議員が会期中逮捕されないとする50条とは、対象も要件も異なります。但書により訴追の権利自体は残るので、同意が得られないまま時機を失するわけではありません。

項役割内容
本文効果在任中の大臣の訴追には内閣総理大臣の同意を要する
但書例外同意がない間も訴追の権利自体は害されない

具体例

検察庁が在任中の国務大臣Aを収賄で起訴しようとしていますが、内閣総理大臣Bの同意はありません。

Bの同意がないので在任中のAを起訴できません。訴追の権利自体は失われません。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aが大臣を罷免された後に起訴しようとする場合に変えます。

訴追の制限は在任中に限られるため、Bの同意なしに起訴できます。

関連条との違い

  • 憲法 第50条:50条の不逮捕特権は議員の会期中の身体拘束を制限する特権。75条は大臣の在任中の訴追への同意制で、逮捕ではなく訴追が対象
  • 憲法 第51条:51条は議員の院内言動の免責で責任自体を問わせない。75条は同意を訴追の要件に据えるだけで訴追権は温存される

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士令和7年 問6肢4

    大臣は会期中逮捕されず総理の要求で釈放されるという誤り。それは議員の50条の特権で、75条が定めるのは訴追への同意

  • 行政書士令和6年 問7肢2

    大臣ではなく議員の訴追に議院の同意が必要とする誤り。本条の同意は在任中の大臣の訴追に対する総理の同意に限られる

  • 行政書士平成29年 問5肢3

    大臣が在任中逮捕されないと明文で定められたという誤り。75条が定めるのは訴追への同意だけ

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 1947年5月3日施行版

この条文の〇×問題(2問)

大臣の訴追免除

国務大臣は、その在任中は何人もこれを訴追することができない。

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正解 ×

誤り。国務大臣はその在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない。同意権は総理が握るが、同意自体は起訴の要件である。総理の同意があれば訴追は可能であり、大臣が在任中は一切訴追されないわけではない。

学習ポイント:大臣の在任中訴追は総理の同意を要件とし、同意があれば訴追できる。

第75条

訴追免除の期間限定

国務大臣の在任中の訴追に対する制約は、その辞任又は罷免の後は及ばない。

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正解 ○

正しい。国務大臣の在任中の訴追には内閣総理大臣の同意が必要であるが、大臣が辞任又は罷免された後はこの制約は及ばない。身分保障の一種としての訴追免除は在任中に限定される。訴追免除は在任中に限定される保障である。

学習ポイント:訴追免除は在任中のみ。辞任後は通常の訴追対象に戻る。

第75条

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問6肢4

国務大臣は、内閣総理大臣の同意がなければ、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された国務大臣は、内閣総理大臣の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

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妥当でない

国務大臣について憲法75条が定めるのは「訴追」への内閣総理大臣同意権であって、会期中の不逮捕・釈放は議員特権(憲法50条)の問題。

行政書士令和6年 問7肢2

両議院の議員は、国会の会期中は、法律の定める場合を除いては逮捕されることがなく、また所属する議院の同意がなければ訴追されない。

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妥当でない

会期中の不逮捕特権は『法律の定める場合を除く』のは正しいが、訴追に議院の同意は不要(同意が要るのは国務大臣の訴追・憲法75条)。

行政書士平成29年 問5肢3

内閣の円滑な職務遂行を保障するために、憲法は明文で、国務大臣はその在任中逮捕されず、また在任中は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない、と規定した。

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妥当でない

国務大臣の不逮捕・訴追には総理大臣の同意が必要だが明文規定ではない(75条は明文規定だが『在任中逮捕されず』ではない…実際75条は明文で同意訴追を定める)。誤り。

行政書士平成24年 問4肢1

国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。

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正しい

国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない。正しい。

司法書士平成27年度 問2ウ

国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。

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正しい

正しい。国務大臣はその在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない(憲法75条)。

問題で確認する

第75条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。