資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 罪/第三十六章 窃盗及び強盗の罪

刑法 第244条(親族間の犯罪に関する特例)

分野:罪/窃盗及び強盗の罪

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 配偶者間の窃盗と非親族共犯:配偶者・直系血族・同居親族間は免責。非親族共犯には及ばない。
  • 親族間窃盗の取扱い:免除は配偶者・直系血族・同居親族限定。非同居兄弟は親告罪。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第244条(親族間の犯罪に関する特例)

配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。

②前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

③前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

この条文の〇×問題(2問)

配偶者間の窃盗と非親族共犯

配偶者の一方が他方の財物を窃取した場合、その配偶者自身は刑が免除されるが、共犯に及んだ非親族の第三者にはこの免除は及ばない。

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正解 ○

正しい。配偶者、直系血族又は同居の親族との間で窃盗罪・不動産侵奪罪又はこれらの未遂罪を犯した者は、その刑を免除される(244条1項)。ただし、これらの規定は親族でない共犯については適用されない(同条3項)。免除は親族関係という身分に基づく個人的なものである。

学習ポイント:配偶者・直系血族・同居親族間は免責。非親族共犯には及ばない。

第244条1項・3項

親族間窃盗の取扱い

同居していない兄弟の間での窃盗も、親族間の犯行として刑が免除される。

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正解 ×

誤り。刑が免除されるのは配偶者、直系血族又は同居の親族との間の犯行に限られる。同居していない兄弟などそれ以外の親族との間の窃盗は免除ではなく親告罪となり、告訴がなければ公訴を提起できないにとどまる。免除と親告罪とでは訴追への効果が異なる。

学習ポイント:免除は配偶者・直系血族・同居親族限定。非同居兄弟は親告罪。

第244条1項・2項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和5年度 問26肢2

Aは、先輩であるBと共謀して、Bと不仲であったBの同居の実母Cの金庫内から、C所有の現金を盗んだ。この場合、Aは、窃盗罪の刑が免除される。

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誤り

誤り。親族間の窃盗の免除(244条1項)が適用されるには犯人と被害者との間に配偶者・直系血族・同居の親族の関係が必要であり、共犯者Aと被害者Cの間にはその関係がない。

司法書士令和5年度 問26肢3

Aは、ギャンブルで借金を抱えており、同居の内縁の妻Bが所有する宝石を盗んで売却した。この場合、Aは、窃盗罪の刑が免除される。

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誤り

誤り。244条1項の免除は刑の免除を受ける者を明確に定める必要があるため、内縁の配偶者には適用されない(最決平18.8.30)。

司法書士令和5年度 問26肢5

Aは、家庭裁判所から同居の実父Bの成年後見人に選任されたものであるが、自己の経営する会社の運転資金に充てるために、Aが成年後見人として管理しているB名義の銀行口座から預金を全額引き出して、これを着服した。この場合、Aは、業務上横領罪の刑が免除される。

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誤り

誤り。家庭裁判所が選任した成年後見人がその業務上占有する成年被後見人の財物を横領した場合、親族関係があっても244条の規定は適用されない(最決平24.10.9)。

司法書士令和4年度 問26エ

Aは、Aとは別居している祖父Bがその友人Cから依頼されてCが所有する宝石を預かっていることを知ったことから、その宝石をBから窃取した。AとCとの間には親族関係がない。この場合、Aは窃盗罪による刑が免除される。

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誤り

誤り。親族相盗例(244条1項)の適用には、犯人と占有者のみならず犯人と所有者との間にも所定の親族関係が必要である(最決平6.7.19)。所有者Cとの間に親族関係がないため免除されない。

問題で確認する

第244条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。