第一編 総則/第九章 併合罪
刑法 第54条(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
この条の要点
- 牽連犯の処断:牽連犯=手段・結果関係の数罪を最も重い刑で一つに処断。
- 観念的競合の処理:観念的競合は最も重い刑のみ。併合罪の併科とは別の処理。
条文原文
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第54条(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理)
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
②第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。
この条文の〇×問題(2問)
牽連犯の処断
住居に侵入して金品を窃取した場合、住居侵入と窃盗の各行為は犯罪の手段・結果の関係にあるとして、最も重い刑により処断される。
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正解 ○
正しい。犯罪の手段又は結果である行為が他の罪名に触れるときは牽連犯として、その最も重い刑により処断される。住居侵入が窃盗の手段となる典型的関係では、数罪は成立しつつも科刑上一罪となる。手段・結果関係の認定が鍵となる。
学習ポイント:牽連犯=手段・結果関係の数罪を最も重い刑で一つに処断。
第54条1項後段
観念的競合の処理
一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合(観念的競合)、それぞれの罪について定めた刑を併科して執行する。
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正解 ×
誤り。一個の行為が二個以上の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断するのであり、併合罪のように併科するわけではない。一つの行為に対し一つの処断刑を科す科刑上一罪の処理である。一個の行為への評価が一罪化を導く。
学習ポイント:観念的競合は最も重い刑のみ。併合罪の併科とは別の処理。
第54条1項前段
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成26年度 問25ウ
私人であるAは、何の権限もないのに、私人であるBの名義の委任状を作成し、これを登記官に提出して行使し、B名義の不動産についての登記を申請した。この場合、Aに成立する私文書偽造罪と偽造私文書行使罪とは、観念的競合となる。
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誤り
誤り。私文書偽造罪と偽造私文書行使罪は目的・手段の関係にあるため牽連犯であり(刑法54条1項後段)、観念的競合ではない。
司法書士平成26年度 問25エ
Aは、1回の焼却行為によりBが所有する物とCが所有する物を損壊した。この場合、Aに成立するBに対する器物損壊罪とCに対する器物損壊罪とは、観念的競合となる。
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正しい
正しい。1個の焼却行為がB・Cそれぞれの所有物に対する器物損壊罪に触れる場合、1個の行為が2個以上の罪名に触れる観念的競合となる(刑法54条1項前段)。
解説で第54条を参照している問
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第54条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。