資格ジュピター条文穴埋め・判例演習
教室の黒板の前で、紫の蝶ネクタイの黒猫のすみちゃんが指し棒で黒板を指し、机に座った赤い首輪の茶白の猫のそらちゃんが鉛筆でノートをとっている色鉛筆のイラスト
きょうの論点定期建物
賃貸借の
手続と通知
すみちゃんそらちゃん

授業2026年10月18日(日)・宅建すみそら教室

定期建物賃貸借の要件と終了の通知を言えるか

この授業で扱う条文
借地借家法 38条
中心の概念
定期建物賃貸借
照合した法令
借地借家法(2026-05-21施行版)

すみちゃん

今日は定期建物賃貸借の問題を出します。

第1問 定期建物賃貸借の要件

すみちゃん

期間の定めがある建物の賃貸借で、契約の更新がないという定めを有効にするための要件を3つ答えてください。

ヒントを見る
  • 契約の「期間」「方式」、そして契約前の「説明」に注目。
答え・解説を見る

正解の一覧

  1. 期間の定めがある建物の賃貸借であること
  2. 公正証書による等書面によって契約すること
  3. 賃貸人があらかじめ、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明すること

すみちゃん

気になるポイントはありますか?

そらちゃん

契約書に更新なしと書くことと、事前の説明は、別々に必要ですか?

すみちゃん

別々に必要です。1項は書面による契約を、3項はあらかじめ書面を交付して説明することを求めています。説明をしなかったときは、5項により更新なしの定めは無効です。

すみちゃんひとつずつ条文で確かめましょう。

  • 期間の定めがあること — 38条1項は「期間の定めがある建物の賃貸借」を前提にしています。38条1項
  • 公正証書等の書面で契約する — 38条1項のとおりです。38条1項
  • 書面を交付してあらかじめ説明する — 38条3項・5項のとおりです。38条3項38条5項

すみちゃん

なお、契約が電磁的記録でされたときは、書面でされたものとみなされます(38条2項)。

そらちゃん

契約書に書いたことと、事前の説明は別々に必要なんですね。

その場で○×

賃貸人AがBと定期建物賃貸借の書面契約を結び更新なしと定めても、契約前に更新がなく期間満了で終了する旨を書面交付して説明しなかった場合、その更新なしの定めは無効となる。

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正解は○。正しい。第38条第3項は、契約とは別に、賃貸人があらかじめ更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明することを求め、これを欠くと更新なしの定めは無効となる(同条第5項)。なお、この書面は賃借人の承諾を得て電磁的方法で提供することもでき、その場合は書面を交付したものとみなされる(同条第4項)。

この○×を演習で解く

第2問 期間満了による終了の通知

すみちゃん

期間が3年の定期建物賃貸借で、賃貸人が期間満了による終了を賃借人に対抗するための通知について、条文が定めることを3つ答えてください。

ヒントを見る
  • いつ通知するか・通知しなかった場合・遅れて通知した場合の3つに分けましょう。
  • 「1年前」「6か月前」と、遅れた通知から経過する期間が手掛かりです。
答え・解説を見る

正解の一覧

  1. 期間満了の一年前から六月前までの間に、終了する旨を賃借人に通知する
  2. 通知をしなければ、終了を賃借人に対抗できない
  3. 通知期間の経過後に通知した場合は、通知の日から六月を経過した後は対抗できる

すみちゃん

気になるポイントはありますか?

そらちゃん

通知が要るのは、どんな期間の契約ですか?

すみちゃん

期間が一年以上の場合です。今回は期間3年なので、通知が要ります。

すみちゃんひとつずつ条文で確かめましょう。

  • 満了の一年前から六月前までの間に通知する — 38条6項の通知期間です。38条6項
  • 通知しなければ終了を対抗できない — 期間が一年以上なら、通知をしなければ、終了を賃借人に対抗することができません。38条6項
  • 通知期間の経過後でも、通知から六月後に対抗できる — 通知期間の経過後に通知をした場合は、その通知の日から六月を経過した後は対抗できます。38条6項

すみちゃん

通知を忘れたときも、通知期間の経過後に通知すれば、その通知の日から六月たった後は終了を対抗できます。

その場で○×

期間三年の定期借家で、賃貸人Aが満了を一年前から六か月前までに通知しなくても、満了日の翌日から賃借人Bへ当然に終了を対抗できる。

正解と解説を見る

正解は×。誤り。第38条第6項は、期間一年以上の定期建物賃貸借で、満了の一年前から六か月前までに賃借人へ終了通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗できないとする。通知期間経過後に通知した場合でも、その通知日から六か月が経過するまでは対抗できない。更新がない旨の有効な契約であっても、終了通知の手続は別に守る必要がある。

この○×を演習で解く

第3問 賃借人の中途解約

すみちゃん

定期建物賃貸借の賃借人が、中途で解約の申入れをすることができる要件を3つ答えてください。

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  • 建物の使い道・床面積・住み続けられない事情の3つに注目。
  • 床面積には上限があり、ちょうどその面積の建物を含むかも鍵です。
答え・解説を見る

正解の一覧

  1. 居住の用に供する建物の賃貸借であること
  2. 床面積が二百平方メートル未満の建物であること
  3. やむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となったこと

すみちゃん

気になるポイントはありますか?

そらちゃん

「二百平方メートル未満」には、ちょうど200平方メートルの建物も入りますか?

すみちゃん

入りません。「未満」なので、200平方メートルの建物は含まれません。

すみちゃんひとつずつ条文で確かめましょう。

  • 居住の用に供する建物であること — 38条7項のとおりです。38条7項
  • やむを得ない事情で生活の本拠として使用することが困難になった — 転勤、療養、親族の介護などで、建物を自己の生活の本拠として使用することが困難になったときです。38条7項
  • 床面積が二百平方メートル未満であること — 床面積が200平方メートル未満の建物に限られます。38条7項

すみちゃん

申入れをすると、賃貸借は申入れの日から一月を経過することによって終了します。この規定に反する特約で賃借人に不利なものは、無効です(8項)。

その場で○×

床面積百五十平方メートルの居住用定期借家で、賃借人Bが転勤によって生活の本拠として使えなくなった場合、Bは解約を申し入れることができ、原則として申入れから一か月後に終了する。

正解と解説を見る

正解は○。正しい。第38条第7項は、床面積二百平方メートル未満の居住用定期建物賃貸借で、転勤や療養等のやむを得ない事情によって生活の本拠として使用困難となった賃借人に中途解約申入れを認める。終了は申入れから一か月経過後である。定期借家であっても、この法定の居住用中途解約を不利な特約で排除することはできない。

この○×を演習で解く

まとめ

場面要件・効果条文
更新なしの定め期間の定め・公正証書等の書面による契約・事前の書面交付説明(欠くと定めは無効)38条1項・3項・5項
終了の対抗期間が一年以上なら、満了の一年前から六月前までに通知しないと対抗できない38条6項
賃借人の中途解約居住用・床面積200平方メートル未満・やむを得ない事情。申入れから一月で終了38条7項

間違えやすい点

  • 契約書に更新なしと書いただけでは足りず、事前の書面交付による説明が要る
  • 期間が一年以上の定期建物賃貸借は、通知をしないと終了を対抗できない
  • 中途解約できるのは賃借人で、居住用かつ200平方メートル未満の場合

関連する条文(借地借家法)

くわしい解説

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