第三章 登記手続/第三節 権利に関する登記/第四款 担保権等に関する登記
不動産登記規則 第174条(買戻しの特約の登記の抹消)
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第174条(買戻しの特約の登記の抹消)
登記官は、買戻しによる権利の取得の登記をしたときは、買戻しの特約の登記の抹消をしなければならない。
条文の要点
買戻特約の職権抹消とは、買戻しによる権利取得を登記した際、登記官が対応する買戻特約の登記を消す処理です(174条)。
買戻しが登記に反映された後に役割を終える特約の登記を整理します。買戻特約より後の順位にある登記を、すべて一緒に消す仕組みではありません。
買戻特約の職権抹消の適用範囲
処理のきっかけは買戻しによる権利取得の登記であり、抹消対象は買戻特約そのものです。後順位の差押えの登記がある場合でも、その存在だけでこの条の職権抹消の対象が増えるわけではありません。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 本文前段 | 要件 | 買戻しを原因として権利を取得した旨の登記がされていることが、特約を消す処理の前提となる。 |
| 本文後段 | 効果 | 登記官が消すのは買戻特約の登記であり、後にされた別の登記を一括して消す権限までは定めていない。 |
具体例
AがBへ売った土地に買戻特約が登記されていた。Aが買戻権を行使し、その買戻しによる所有権取得の登記がされた。
登記官は対応する買戻特約の登記を職権で抹消する。
反例(結論が変わる)
AとBの同じ買戻しの場面で、抹消を検討している登記が買戻特約そのものではなく、その後にされた差押えの登記である。
174条を根拠として、その差押えを職権で抹消することはできない。特約の抹消と後順位登記の処理を分ける。
関連条との違い
- 不動産登記規則 第3条:3条10号は買戻特約を登記する際の形式を付記登記と定める。174条は買戻しによる取得が登記された後の抹消を扱い、登記の形式とは場面が異なる。
過去問で誤りとされた肢の型
- 司法書士平成25年度 問54ウ
買戻しによる所有権取得の登記がされても、後順位の差押えまで当然に職権抹消されるとはいえない。174条が定める対象は買戻特約の登記である。
法令版: 2026年10月5日施行版
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成25年度 問54ウ
売買を登記原因とする所有権の移転の登記と同時にした買戻特約の登記がされている不動産について、買戻権の行使による所有権の移転の登記がされた場合には、当該買戻特約の登記の後にされた滞納処分に関する差押えの登記は、登記官の職権により、抹消される。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。買戻権の行使による所有権移転の登記がされたとき、登記官が職権で抹消するのは買戻特約の登記であり(不登規174条)、買戻特約に後れる差押えの登記を職権で抹消する規定はない。
解説で第174条を参照している問
問題で確認する
第174条の内容は1問の条文穴埋めで確認できます。