第三章 登記手続/第一節 総則/第二款 電子申請
不動産登記規則 第43条(電子証明書)
条文原文
第43条(電子証明書)
令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、第四十七条第三号イからニまでに掲げる者に該当する申請人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。同条第二号及び第三号並びに第四十九条第一項第一号及び第二号において同じ。)が申請情報又は委任による代理人の権限を証する情報に電子署名を行った場合にあっては、次に掲げる電子証明書とする。ただし、第三号に掲げる電子証明書については、第一号及び第二号に掲げる電子証明書を取得することができない場合に限る。
一 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項の規定に基づき作成された署名用電子証明書
二 電子署名を行った者が商業登記法第十二条の二(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する被証明者であるときは、商業登記規則(昭和三十九年法務省令第二十三号)第三十三条の八第二項(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する電子証明書
三 電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第八条に規定する認定認証事業者が作成した電子証明書(電子署名及び認証業務に関する法律施行規則(平成十三年総務省・法務省・経済産業省令第二号)第四条第一号に規定する電子証明書をいう。)その他の電子証明書であって、氏名、住所、出生の年月日その他の事項により電子署名を行った者を確認することができるものとして法務大臣の定めるもの
四 官庁又は公署が嘱託する場合にあっては、官庁又は公署が作成した電子証明書であって、登記官が電子署名を行った者を確認することができるもの
②前項本文に規定する場合以外の場合にあっては、令第十四条の法務省令で定める電子証明書は、同項各号に掲げる電子証明書又はこれに準ずる電子証明書として法務大臣の定めるものとする。
条文の要点
登記の電子証明書とは、電子申請で署名した者を確認するため、申請人の立場などに応じて選ぶ証明情報です(43条)。
電子署名を付けることと、その署名者を確かめる証明書を送ることは別の手続です。官公署による電子嘱託も、証明書なしでよいことにはなりません。
登記の電子証明書の適用範囲
所有権を失う登記名義人など、47条3号イからニまでに当たる者については、使える証明書の種類に制約があります。1項3号の証明書を使えるのは、同項1号・2号の証明書を取得できない場合に限られます。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項本文・ただし書 | 要件 | 署名する者の立場を先に判別し、1号・2号の証明書を取得できるかによって3号の利用可否を分ける。 |
| 1項4号 | 手続 | 官公署の嘱託には、その官公署が発行し、署名者の確認ができる電子証明書を用いる。 |
| 2項 | 例外 | 1項本文の対象外では、同項の証明書に加えて法務大臣が定める同等の証明書も選択肢となる。 |
具体例
官庁Aが私人Bに土地を売り払い、電子嘱託する。Aは署名者を確認できる所定の電子証明書を送信した。
官庁が発行した適切な証明書の送信により、嘱託に必要な電子証明書を提供できる。
反例(結論が変わる)
官庁Aが私人Bに土地を売り払い、同じ電子嘱託をするが、官庁からの嘱託なので証明書は不要と考えて送信しなかった。
官公署からの嘱託というだけで省略はできず、電子署名だけでは証明書の提供に代わらない。
関連条との違い
- 不動産登記規則 第42条:42条は電子署名に用いる技術上の措置を定め、43条は署名した者を証明する情報の種類を定める。署名の方式と証明書の適格性を分けて確認する。
過去問で誤りとされた肢の型
- 司法書士令和3年度 問48ウ
官公署が単独で電子嘱託できることから、電子証明書まで不要と推論しない。嘱託主体の確認に使う証明書の送信は別に必要となる。
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年10月5日施行版
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問48ウ
財務省が私人に対して普通財産である国有財産の土地の売払いの手続をしたことにより当該土地につき行う売買を登記原因とする所有権の移転の登記を、電子情報処理組織を使用する方法によって財務省が単独で嘱託するときは、官庁又は公署が作成した電子証明書であって、登記官が電子署名を行った者を確認することができるものの送信をすることを要しない。
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誤り
誤り。電子情報処理組織による嘱託の場合、官庁又は公署が作成した電子証明書であって登記官が電子署名を行った者を確認できるものを送信しなければならない(不登令14条・不登規則43条1項4号)。不要ではない。
司法書士平成28年度 問60エ
公売処分による所有権の移転の登記の嘱託
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対象
対象。公売処分による所有権移転の登記の嘱託は、電子情報処理組織による方法でもできる(不動登規則43条1項4号)。
解説で第43条を参照している問