資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三章 登記手続/第一節 総則/第三款 書面申請

不動産登記規則 第47条(申請書に記名押印を要しない場合)

分野:登記手続/総則/書面申請

出題試験:司法書士

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第47条(申請書に記名押印を要しない場合)

令第十六条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一 委任による代理人が申請書に署名した場合

二 申請人又はその代表者若しくは代理人が署名した申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合

三 申請人が次に掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が申請書に署名した場合(前号に掲げる場合を除く。)

イ 所有権の登記名義人(所有権に関する仮登記の登記名義人を含む。)であって、次に掲げる登記を申請するもの

(1) 当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記(担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記及び更正の登記を除く。)

(2) 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記

(3) 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消

(4) 信託法(平成十八年法律第百八号)第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記

(5) 仮登記の抹消(法第百十条前段の規定により所有権に関する仮登記の登記名義人が単独で申請するものに限る。)

(6) 合筆の登記、合体による登記等又は建物の合併の登記

ロ 所有権の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく担保権(根抵当権及び根質権を除く。)の債務者に関する変更の登記又は更正の登記を申請するもの

ハ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が登記義務者となる権利に関する登記を申請するもの

ニ 所有権以外の権利の登記名義人であって、法第二十二条ただし書の規定により登記識別情報を提供することなく当該登記名義人が信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請するもの

ホ 法第二十一条本文の規定により登記識別情報の通知を受けることとなる申請人

条文の要点

署名による押印の省略とは、書面申請で代理人の立場や認証の有無などに応じ、記名押印に代えて署名できる扱いです(47条)。

本人が署名すればいつでも押印を省けるわけではありません。権利を失う側か、新たな登記識別情報の通知を受ける側かなどを確認して、3号の除外対象を判別します。

署名による押印の省略の適用範囲

委任を受けた代理人の署名、公証人等による署名の認証、3号の列挙対象に当たらない申請人の署名は、それぞれ別の入口です。本人が署名する場合に使えない省略根拠を、代理人署名の場面まで一律に広げないよう区別します。

項役割内容
1号例外任意代理人が申請書に署名した場合は、記名押印によらずに申請書を作成できる。
2号例外申請人等の署名について公証人等の認証を受けた場合にも、記名押印は省略できる。
3号ハ要件地上権など所有権以外の登記名義人が義務者となり、識別情報なしで申請するときは、3号による省略対象から外れる。

具体例

地上権者Aと土地所有者Bが地上権の抹消を書面で申請する。Aは識別情報を提供できず、公証人等の認証も受けないまま、自ら申請書に署名した。

Aは3号ハに当たるため、本人の署名だけでは3号を根拠とする押印の省略はできない。

反例(結論が変わる)

地上権者Aと土地所有者Bが同じ抹消を書面申請するが、申請書には委任を受けた代理人Cが署名した。

Cによる申請書の署名は1号の対象となる。ただし、委任状など別の書面に必要な手続まで省略されるわけではない。

関連条との違い

  • 不動産登記規則 第48条:47条は申請書に記名押印するかを扱い、48条は押された印鑑の証明書を添付するかを扱う。48条の省略対象は47条3号の区分を参照するが、両者は同じ判断ではない。

過去問で誤りとされた肢の型

  • 司法書士平成25年度 問50ウ

    地上権者だから印鑑証明書が不要と決めない。識別情報なしで抹消の義務者になると47条3号ハに該当し、48条1項5号による添付省略の前提を欠く。

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年10月5日施行版

この条文を解説で参照する過去問

司法書士平成28年度 問52エ

Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aを債務者とする抵当権が設定されている場合において、Aの債務をBが引き受けたときは、登記識別情報を提供した上でする当該抵当権の債務者を変更する登記の申請に際して、Aの印鑑に関する証明書を添付情報とすることを要しない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。所有権の登記名義人が登記義務者となる抵当権の債務者の変更の登記を、登記識別情報を提供して申請する場合には、登記義務者の印鑑に関する証明書の添付を要しない(不動産登記令16条2項・不動産登記規則47条)。

司法書士平成25年度 問50ウ

地上権の設定の登記の抹消を申請する場合においては、登記義務者が登記識別情報を提供することができないときであっても、当該登記義務者の印鑑に関する証明書を提供することを要しない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。地上権設定登記の抹消申請で登記義務者が登記識別情報を提供できないときは、登記義務者の印鑑に関する証明書を提供しなければならない(不登令16条2項・不登規48条1項5号・47条3号ハ)。

問題で確認する

第47条の内容は1問の条文穴埋めで確認できます。