第三章 借家/第一節 建物賃貸借契約の更新等
借地借家法 第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
この条の要点
- 賃貸人の正当事由:立退料は正当事由の考慮要素であり、単独で必ず足りるわけではない。
- 転借人の使用必要性:建物賃貸借の正当事由では、転借人の使用必要性も考慮する。
条文原文
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第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
この条文の〇×問題(2問)
賃貸人の正当事由
賃貸人Aが建物を取り壊して別用途に使いたいと考え、賃借人Bへ立退料を示した場合、その申出だけで第28条の正当事由が必ず成立し、Bの利用事情を考慮する余地はない。
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正解 ×
誤り。第28条は、賃貸人と賃借人・転借人の建物使用の必要性に加え、従前の経過、建物の利用状況・現況、賃貸人の財産上の給付の申出を考慮して正当事由を判断する。立退料の申出は一要素にすぎず、金額や提示の事実だけで結論は決まらない。解約申入れや更新拒絶の法定期間を守ることも別に必要となる。
学習ポイント:立退料は正当事由の考慮要素であり、単独で必ず足りるわけではない。
第28条、第26条第1項
転借人の使用必要性
建物が適法に転貸され転借人Cが住んでいる場合、賃貸人Aの更新拒絶に正当事由があるかは、賃借人Bの事情だけでなく、Cの建物使用の必要性も考慮して判断する。
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正解 ○
正しい。第28条は、建物賃貸人と賃借人の使用の必要性を正当事由の要素とし、この条にいう賃借人には転借人を含むと明記する。転借人が現に居住している事実を、原賃借人ではないというだけで判断対象から除外できない。もちろん、その必要性だけで結論が自動的に決まるわけではなく、他の事情も合わせて考慮する。
学習ポイント:建物賃貸借の正当事由では、転借人の使用必要性も考慮する。
第28条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和3年12月 問12肢2
本件契約において期間の定めがない場合、借地借家法第28条に定める正当事由を備えてAが解約の申入れをしたときには、解約の申入れをした日から6月を経過した日に、本件契約は終了する。
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正しい
正しい。正当事由に基づく解約申入れは6か月経過で効力を生じる(借地借家法27条・28条)。
宅建平成29年 問12肢1
AがBに対し、甲建物の賃貸借契約の期間満了の1年前に更新をしない旨の通知をしていれば、AB間の賃貸借契約は期間満了によって当然に終了し、更新されない。
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誤り
誤り。更新拒絶には正当事由が必要で、期間満了の1年前の通知のみでは当然に終了しない(借地借家法28条)。
宅建平成28年 問12肢2
BがAに対し、本件契約の解約を申し入れる場合、甲建物の明渡しの条件として、一定額以上の財産上の給付を申し出たときは、Bの解約の申入れに正当事由があるとみなされる。
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誤り
誤り。正当事由の判断要素として財産上の給付の申出は考慮要素の一つにすぎず、それだけで正当事由があるとみなされるわけではない(借地借家法28条)。
賃管令和7年度 問5肢1
賃貸人が期間の定めのある建物賃貸借契約を期間の満了をもって更新せず終了させる場合、更新拒絶には正当事由の具備が必要となるところ、正当事由は具備されてから6か月間持続しなければならない。
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正しい
正しい。正当事由は更新拒絶の通知・解約申入れの時に存在し、かつその後6か月間持続しなければならない(最判昭29.3.9)。
賃管令和7年度 問5肢2
期間の定めのある建物賃貸借契約において、賃貸人が更新拒絶により賃貸借契約を終了させるためには正当事由の具備が必要となるところ、いわゆる立退料の提供の申出は正当事由の主たる要素となり、賃貸人及び賃借人各自が賃貸物件の使用を必要とする事情は、補完的要素として考慮されるに過ぎない。
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誤り
誤り。立退料の申出は正当事由の補完的要素であり、使用を必要とする事情等が主たる考慮要素である。
問題で確認する
第28条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。