第五章 司法書士法人
司法書士法 第41条(特定の事件についての業務の制限)
この条の要点
- 法人の禁止事件(相手方の書類作成事件):法人も相手方の書類作成事件では反対側の業務を行えない(利益相反の遮断)。
- 簡裁目的法人の追加制限と過去目的:簡裁目的法人の追加制限は過去の目的にも及ぶ(括弧書きを見落とさない)。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第41条(特定の事件についての業務の制限)
司法書士法人は、次に掲げる事件については、裁判書類等作成関係業務を行つてはならない。
一 相手方の依頼を受けて第三条第一項第四号に規定する業務を行つた事件
二 使用人が相手方から簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件
三 第二十二条第一項、第二項第一号若しくは第二号又は第三項第一号から第五号までに掲げる事件として社員の半数以上の者が裁判書類等作成関係業務を行つてはならないこととされる事件
②簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人(過去に簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的としていたものを含む。)は、次に掲げる事件については、裁判書類等作成関係業務を行つてはならない。ただし、第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
二 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
三 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
③簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人は、次に掲げる事件については、簡裁訴訟代理等関係業務を行つてはならない。ただし、前項第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
一 第一項各号及び前項各号に掲げる事件
二 第二十二条第一項に掲げる事件又は同条第四項に規定する同条第二項第一号若しくは第二号若しくは第三項第一号から第五号までに掲げる事件として特定社員の半数以上の者が簡裁訴訟代理等関係業務を行つてはならないこととされる事件
この条文の〇×問題(2問)
法人の禁止事件(相手方の書類作成事件)
司法書士法人は、相手方の依頼を受けて裁判所又は検察庁に提出する書類等の作成業務を行った事件については、その事件の相手方の事件について裁判書類等作成関係業務を行うことができない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。法人は、相手方の依頼を受けて裁判所等への提出書類の作成業務を行った事件については、裁判書類等作成関係業務を行ってはならない。利益相反となる相手方事件の受任を防ぐ趣旨である。利益相反防止のため法人レベルでも当該事件の業務が遮断される。
学習ポイント:法人も相手方の書類作成事件では反対側の業務を行えない(利益相反の遮断)。
第41条1項1号、関連:第22条2項1号
簡裁目的法人の追加制限と過去目的
簡裁訴訟代理等関係業務を目的とする司法書士法人に課される追加の事件制限は、過去に当該業務を目的としていた法人にも及ぶ。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。簡裁業務を目的とする法人に対する追加の禁止事件の規定は、「過去に簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的としていたものを含む」とされており、現在の目的でなくても制限が残る。括弧書きにより過去の目的を持っていた法人にも制限が及ぶ。
学習ポイント:簡裁目的法人の追加制限は過去の目的にも及ぶ(括弧書きを見落とさない)。
第41条2項括弧書き
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問43エ
複数の事務所を有する司法書士法人は、その従たる事務所においてAの依頼を受けて裁判所に提出する書類を作成する業務を行った場合には、その主たる事務所において当該業務に係る事件の相手方であるBから、当該事件に関して裁判所に提出する書類を作成する業務を受任することができない。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。司法書士法人は、依頼人の事件について裁判所提出書類の作成業務を行った場合、その事件の相手方から同一事件について書類作成業務を受任することができない(司法書士法41条1項1号)。主たる事務所と従たる事務所が異なっても同様である。
解説で第41条を参照している問
問題で確認する
第41条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。