資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 抗告訴訟/第一節 取消訴訟

行政事件訴訟法 第25条(執行停止)

分野:抗告訴訟/取消訴訟

出題試験:行政書士

この条の要点

  • 執行不停止の原則:提訴しても執行は止まらない。止めるには執行停止の申立てと決定が要る。
  • 執行停止の消極要件:執行停止は公共の福祉に重大な影響のおそれ、又は本案に理由なしとみえるとき不可。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第25条(執行停止)

処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。

②処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。

③裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。

④執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。

⑤第二項の決定は、疎明に基づいてする。

⑥第二項の決定は、口頭弁論を経ないですることができる。ただし、あらかじめ、当事者の意見をきかなければならない。

⑦第二項の申立てに対する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

⑧第二項の決定に対する即時抗告は、その決定の執行を停止する効力を有しない。

この条文の〇×問題(2問)

執行不停止の原則

処分の取消しの訴えを提起しても、それだけで当該処分の効力、処分の執行又は手続の続行が妨げられることはない。

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正解 ○

正しい。取消訴訟の提起は原則として処分の効力・執行・手続の続行を妨げない(執行不停止の原則)。提訴により自動的に効力が止まるわけではなく、止めるには別途執行停止の申立てと裁判所の決定が必要となる。行政訴訟の基本構造としての原則である。

学習ポイント:提訴しても執行は止まらない。止めるには執行停止の申立てと決定が要る。

第25条1項

執行停止の消極要件

執行停止の申立てがあり、執行による重大な損害を避ける緊急の必要があると認められても、公共の福祉への重大な影響が懸念される場合や本案の請求に見込みがないとみえる場合には、裁判所はそれでも停止を命じることができる。

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正解 ×

誤り。執行停止は、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、することができない。重大な損害・緊急の必要という積極要件を満たしても、公共の福祉への重大な影響や本案の見通しが妨げとなる。積極要件と消極要件の二層構造が論点である。

学習ポイント:執行停止は公共の福祉に重大な影響のおそれ、又は本案に理由なしとみえるとき不可。

第25条2項・4項

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和5年 問18イ

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誤り

誤り。執行停止を定める行政事件訴訟法25条は、義務付け訴訟・差止訴訟には準用されておらず(これらには仮の義務付け・仮の差止め(37条の5)が用意されている)、前半は正しい。しかし、当事者訴訟にも準用されていない(41条1項参照)から、後半が誤り。

行政書士令和元年 問17肢1

執行停止の決定は、裁判所が疎明に基づいて行うが、口頭弁論を経て行わなければならない。

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誤り

誤り。執行停止の決定は疎明に基づいてし(行訴25条5項)、口頭弁論を経ないですることができる(同条6項)。

行政書士令和元年 問17肢2

執行停止の決定は、取消訴訟の提起があった場合においては、裁判所が職権で行うことができる。

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誤り

誤り。執行停止は申立てによって決定する(行訴25条2項)。裁判所が職権で行うことはできない。

行政書士令和元年 問17肢3

執行停止の決定は、償うことができない損害を避けるための緊急の必要がある場合でなければ、することができない。

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誤り

誤り。執行停止の要件は「重大な損害を避けるため緊急の必要があること」であり、「償うことができない損害」ではない(行訴25条2項)。

行政書士令和元年 問17肢4

執行停止の決定は、本案について理由があるとみえる場合でなければ、することができない。

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誤り

誤り。執行停止は本案について理由がないとみえるときはすることができない(行訴25条4項)が、理由があるとみえることまでは要件ではない。

行政書士令和元年 問17肢5

執行停止による処分の効力の停止は、処分の執行または手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない。

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正しい

正しい。処分の効力の停止は、処分の執行又は手続の続行の停止によって目的を達することができる場合には、することができない(行訴25条2項ただし書)。

行政書士平成27年 問17肢1

処分の執行停止の申立ては、当該処分に対して取消訴訟を提起した者だけではなく、それに対して差止訴訟を提起した者もなすことができる。

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妥当ではない

執行停止の申立ては取消訴訟の提起を前提としており、差止訴訟を提起した者は申立てできない(行訴25条)。妥当ではない。

行政書士平成25年 問18肢4

裁判所は、処分の執行停止の必要があると認めるときは、職権で、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止をすることができる。

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誤り

執行停止は申立てによるものであり、職権ではできない(行訴法25条)。誤り。

問題で確認する

第25条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。