第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行/第一目 債権執行等
民事執行法 第144条(執行裁判所)
この条の要点
- 債権執行の原則的管轄:管轄は債務者の普通裁判籍が原則。第三債務者の普通裁判籍は債務者に普通裁判籍がない場合。
- 債権の所在地の定義:債権所在地=第三債務者の普通裁判籍(例外:物引渡債権・物上担保付債権は物の所在地)。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第144条(執行裁判所)
債権執行については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、この普通裁判籍がないときは差し押さえるべき債権の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
②差し押さえるべき債権は、その債権の債務者(以下「第三債務者」という。)の普通裁判籍の所在地にあるものとする。ただし、船舶又は動産の引渡しを目的とする債権及び物上の担保権により担保される債権は、その物の所在地にあるものとする。
③差押えに係る債権(差押命令により差し押さえられた債権に限る。以下この目において同じ。)について更に差押命令が発せられた場合において、差押命令を発した執行裁判所が異なるときは、執行裁判所は、事件を他の執行裁判所に移送することができる。
④前項の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の〇×問題(2問)
債権執行の原則的管轄
債権執行の申立ては、債権の債務者たる第三債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所に対してしなければならない。
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正解 ×
誤り。債権執行の管轄は、原則として債務者(差押債権者の相手方)の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所であり、債務者に普通裁判籍がないときに限り差し押さえるべき債権の所在地(原則として第三債務者の普通裁判籍)の地裁が管轄する。
学習ポイント:管轄は債務者の普通裁判籍が原則。第三債務者の普通裁判籍は債務者に普通裁判籍がない場合。
第144条1項・2項
債権の所在地の定義
債務者に普通裁判籍がない場合に基準となる差し押さえるべき債権の所在地は、原則としてその債権の債務者(第三債務者)の普通裁判籍の所在地とされる。
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正解 ○
正しい。差し押さえるべき債権は、その債権の債務者である第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとされる。ただし船舶・動産の引渡しを目的とする債権や物上担保権で担保される債権は、その物の所在地にあるものとされる例外がある。
学習ポイント:債権所在地=第三債務者の普通裁判籍(例外:物引渡債権・物上担保付債権は物の所在地)。
第144条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問42ア
債権に対する強制執行については、債権者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
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誤り
誤り。債権執行の執行裁判所は「債務者」の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(ないときは差押債権の所在地の地裁)であり(民執144条1項)、「債権者」ではない。
司法書士令和3年度 問42ア
不動産に対する強制執行については、その所在地を管轄する地方裁判所のほか、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
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誤り
誤り。不動産に対する強制執行は、その所在地を管轄する地方裁判所が執行裁判所として管轄する(民執44条1項)。債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地裁が管轄するのは債権執行の原則である(同144条1項)。
解説で第144条を参照している問
問題で確認する
第144条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。