第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行/第一目 債権執行等
民事執行法 第145条(差押命令)
この条の要点
- 差押命令の発令と効力発生時期:差押命令は審尋なしで発する。効力は債務者でなく第三債務者への送達時に発生。
- 差押命令の禁止の内容:差押命令の内容は、債務者への取立禁止+第三債務者への弁済禁止の両方が必須。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第145条(差押命令)
執行裁判所は、差押命令において、債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。
②差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。
③差押命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。
④裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、債務者に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第百五十三条第一項又は第二項の規定による当該差押命令の取消しの申立てをすることができる旨その他最高裁判所規則で定める事項を教示しなければならない。
⑤差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。
⑥差押命令の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
⑦執行裁判所は、債務者に対する差押命令の送達をすることができない場合には、差押債権者に対し、相当の期間を定め、その期間内に債務者の住所、居所その他差押命令の送達をすべき場所の申出(第二十条において準用する民事訴訟法第百十条第一項各号に掲げる場合にあつては、公示送達の申立て。次項において同じ。)をすべきことを命ずることができる。
⑧執行裁判所は、前項の申出を命じた場合において、差押債権者が同項の申出をしないときは、差押命令を取り消すことができる。
この条文の〇×問題(2問)
差押命令の発令と効力発生時期
債権執行の差押命令は債務者と第三債務者を審尋しないで発せられるが、差押えの効力は債務者ではなく第三債務者に差押命令が送達された時に生ずる。
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正解 ○
正しい。差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する(145条2項)。審尋するかどうかの裁量があるのではなく、審尋しないで発するのが法定の方式である。差押えの効力は、債務者への送達ではなく、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる(同条5項)。第三債務者への弁済禁止の効果が先に働くためである。
学習ポイント:差押命令は審尋なしで発する。効力は債務者でなく第三債務者への送達時に発生。
第145条2項・5項
差押命令の禁止の内容
差押命令において執行裁判所が命ずるのは、債務者に対する債権の取立てその他の処分の禁止であり、第三債務者への弁済の禁止までは命令の内容に含まれない。
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正解 ×
誤り。差押命令では、債務者に対して債権の取立てその他の処分を禁止するとともに、第三債務者に対しても債務者への弁済を禁止しなければならない。両者への禁止が法定の必須内容であり、第三債務者への弁済禁止を欠く命令は差押命令として機能しない。
学習ポイント:差押命令の内容は、債務者への取立禁止+第三債務者への弁済禁止の両方が必須。
第145条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問42イ
債権に対する強制執行による差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。
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正しい
正しい。債権に対する差押えの効力は差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる(145条5項)。
司法書士平成28年度 問42ア
金銭債権に対する強制執行は、執行裁判所の差押命令により開始する。
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正しい
正しい。金銭債権に対する強制執行は、執行裁判所の差押命令により開始する(民執145条1項)。
司法書士平成28年度 問42イ
差押命令は、第三債務者を審尋して発しなければならない。
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誤り
誤り。差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する(民事執行法145条2項)。
解説で第145条を参照している問
問題で確認する
第145条の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。