資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第四章 債務者の財産状況の調査/第二節 第三者からの情報取得手続

民事執行法 第206条(債務者の給与債権に係る情報の取得)

分野:債務者の財産状況の調査/第三者からの情報取得手続

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 市町村・年金機構への情報提供命令の申立資格:給与・勤務先情報は扶養等・生命身体侵害の債務名義者と子の監護の費用の一般先取特権者に限る。
  • 年金機構等からの情報の範囲:給与情報は市町村、報酬・賞与情報は日本年金機構・共済組合等からも取得可。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第206条(債務者の給与債権に係る情報の取得)

執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。

一 市町村債務者が支払を受ける地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百十七条の二第一項ただし書に規定する給与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(当該市町村が債務者の市町村民税(特別区民税を含む。)に係る事務に関して知り得たものに限る。)

二 日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団債務者(厚生年金保険の被保険者であるものに限る。以下この号において同じ。)が支払を受ける厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第三条第一項第三号に規定する報酬又は同項第四号に規定する賞与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(情報の提供を命じられた者が債務者の厚生年金保険に係る事務に関して知り得たものに限る。)

②執行裁判所は、第百九十七条第二項各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。

③前条第二項から第五項までの規定は、前二項の申立て及び当該申立てについての裁判について準用する。

この条文の〇×問題(2問)

市町村・年金機構への情報提供命令の申立資格

市町村への給与情報の提供命令や日本年金機構等への報酬・賞与情報の提供命令を求められるのは、扶養義務等の金銭債権または生命・身体の侵害による損害賠償金銭債権の債務名義を有する者、または一定の一般先取特権を有する者に限られる。

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正解 ○

正しい。市町村等に給与債権に関する情報、日本年金機構等に勤務先等の情報の提供を命ずるよう求められるのは、扶養義務等に係る金銭債権又は人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権について執行力ある債務名義の正本を有する債権者(206条1項)、又は民法306条3号(子の監護の費用)に係る一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者(同条2項)に限られる。

学習ポイント:給与・勤務先情報は扶養等・生命身体侵害の債務名義者と子の監護の費用の一般先取特権者に限る。

第206条1項・2項

年金機構等からの情報の範囲

給与・報酬に関する情報の取得先は市町村に限られ、日本年金機構や共済組合等から債務者の報酬・賞与に関する情報を取得することはできない。

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正解 ×

誤り。執行裁判所は申立てにより、日本年金機構・共済組合等に対しても報酬・賞与その他これらに類するものに関する情報の提供を命ずることができる。取得先は市町村に限定されず、年金機構等への情報提供命令も認められている。

学習ポイント:給与情報は市町村、報酬・賞与情報は日本年金機構・共済組合等からも取得可。

第206条1項2号

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和6年度 問42ウ

貸金返還請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者は、第三者からの情報取得手続において、債務者の給与債権に係る情報の提供を求めることができる。

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誤り

誤り。第三者からの情報取得手続で給与債権に係る情報の提供を求めることができるのは、扶養義務等に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者に限られる(民事執行法206条1項)。貸金返還請求権の債権者は求めることができない。

解説で第206条を参照している問

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第206条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。