第四章 債務者の財産状況の調査/第二節 第三者からの情報取得手続
民事執行法 第207条(債務者の預貯金債権等に係る情報の取得)
この条の要点
- 銀行等への情報提供命令の申立て先:銀行情報の提供命令も債務者の普通裁判籍の地裁管轄。銀行所在地の裁判所ではない。
- 預貯金・振替社債等情報の申立資格:預貯金・振替社債情報は債務名義を有する金銭債権者又は一般先取特権者(扶養債権限定なし)。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第207条(債務者の預貯金債権等に係る情報の取得)
執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一 銀行等(銀行、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、信用協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫又は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構をいう。以下この号において同じ。)債務者の当該銀行等に対する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。)に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
二 振替機関等(社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項に規定する振替機関等をいう。以下この号において同じ。)債務者の有する振替社債等(同法第二百七十九条に規定する振替社債等であつて、当該振替機関等の備える振替口座簿における債務者の口座に記載され、又は記録されたものに限る。)に関する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
②執行裁判所は、第百九十七条第二項各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
③前二項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
銀行等への情報提供命令の申立て先
銀行等の預貯金情報の提供命令を求める申立ては、預貯金を管理する銀行等の営業所の所在地を管轄する裁判所に対してしなければならない。
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正解 ×
誤り。預貯金情報の提供命令の申立て先は、第三者からの情報取得手続の管轄規定に基づき、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(債務者に普通裁判籍がないときは情報提供者所在地の地裁)である。金融機関の営業所所在地の裁判所ではない。
学習ポイント:銀行情報の提供命令も債務者の普通裁判籍の地裁管轄。銀行所在地の裁判所ではない。
第207条・第204条
預貯金・振替社債等情報の申立資格
銀行等の預貯金情報や振替機関等の振替社債等情報の提供命令を求められるのは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権者又は一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者であり、給与情報のような扶養債権等への限定はない。
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正解 ○
正しい。預貯金債権・振替社債等に関する情報の提供命令は、執行力ある債務名義の正本を有する金銭債権者(207条1項)又は一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者(同条2項)の申立てにより、財産開示の不奏功等の要件(197条)を満たす場合に発令される。給与債権に関する情報(206条)のような扶養義務等の債権への限定はない。
学習ポイント:預貯金・振替社債情報は債務名義を有する金銭債権者又は一般先取特権者(扶養債権限定なし)。
第207条、対比:第206条
根拠・関連条文
問題で確認する
第207条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。