第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第四款 債権及びその他の財産権に対する強制執行/第一目 債権執行等
民事執行法 第151条の2(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
この条の要点
- 確定期限未到来の定期金債権への執行開始:扶養等の定期金債権は一部不履行で未到来分も債権執行開始可(確定期限原則の特例)。
- 差押え可能な給与債権の範囲:扶養等執行で差押えられる給与債権は「各定期金の期限到来後に弁済期が来る分」のみ。
条文原文
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第151条の2(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。
一 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
二 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
三 民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
四 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
②前項の規定により開始する債権執行においては、各定期金債権について、その確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付に係る債権のみを差し押さえることができる。
この条文の〇×問題(2問)
確定期限未到来の定期金債権への執行開始
扶養義務や婚姻費用分担義務等に係る確定期限の定めのある定期金債権について、その一部に不履行がある場合、確定期限のまだ到来していない将来の定期金債権についても債権執行を開始することができる。
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正解 ○
正しい。夫婦間の協力扶助・婚姻費用分担・子の監護・扶養の各義務に係る確定期限付き定期金債権は、一部に不履行があれば、確定期限の到来を待たずに未到来の定期金についても債権執行を開始できる。確定期限到来を執行開始の要件とする原則の明文の例外である。
学習ポイント:扶養等の定期金債権は一部不履行で未到来分も債権執行開始可(確定期限原則の特例)。
第151条の2第1項、関連:第30条1項
差押え可能な給与債権の範囲
扶養義務等の定期金債権について債権執行を開始した場合、債務者の給与債権のうち将来一定期間の分をまとめて差し押さえることができ、各期の定期金が到来するたびの給付に限定されない。
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正解 ×
誤り。この特例により開始する債権執行では、差し押さえることができるのは、各定期金債権についてその確定期限の到来後に弁済期が到来する給料等継続的給付に係る債権のみである。各定期金の期限到来と給与の弁済期の対応が必要で、まとめて先取りする差押えは認められない。
学習ポイント:扶養等執行で差押えられる給与債権は「各定期金の期限到来後に弁済期が来る分」のみ。
第151条の2第2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問42ウ
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誤り
誤り。養育費に係る確定期限の定めのある定期金債権について債務名義を有する場合、その一部に不履行があるときは、期限の到来していない部分についても債権執行を開始することができる(民執151条の2第1項)。
解説で第151条の2を参照している問
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第151条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。