第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第一款 不動産に対する強制執行/第二目 強制競売
民事執行法 第83条(引渡命令)
分野:強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行
この条の要点
- 引渡命令:対抗可能権原の占有者には引渡命令は発せられない。
- 引渡命令の申立期間:引渡命令の申立ては納付から6月(抵当建物使用者占有は9月)。
条文原文
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第83条(引渡命令)
執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
②買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第三百九十五条第一項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
③執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
④第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
⑤第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
この条文の〇×問題(2問)
引渡命令
買受人に対抗し得る権原で占有していると記録から認められる占有者には、執行裁判所は不動産の引渡命令を出すことができない。
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正解 ○
正しい。引渡命令は代金を納付した買受人の申立てによるが、記録上対抗可能な権原で占有していると認められる者には発せられない。形式的審査による迅速な明渡手段としての限界が論点である。記録上対抗可能な占有者を排除する但書が引渡命令の限界を画する。
学習ポイント:対抗可能権原の占有者には引渡命令は発せられない。
第83条1項ただし書
引渡命令の申立期間
代金を納付した買受人が引渡命令を申し立てることができるのは、代金を納付した日から一年以内に限られる。
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正解 ×
誤り。引渡命令の申立ては、代金を納付した日から6月以内にしなければならない(83条2項)。ただし、買受けの時に民法395条1項に規定する抵当建物使用者(明渡猶予制度の対象となる者)が占有していた建物の買受人については9月である。一年ではない。
学習ポイント:引渡命令の申立ては納付から6月(抵当建物使用者占有は9月)。
第83条2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第83条の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。