第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第一款 不動産に対する強制執行/第三目 強制管理
民事執行法 第95条(管理人の権限)
分野:強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行
この条の要点
- 複数管理人に対する第三者の意思表示:複数管理人の職務は共同だが、第三者の意思表示は一人への表示で足りる。受領は単独で有効。
- 長期賃貸の要件:民法602条超の賃貸には「債務者の同意」が必要。裁判所の許可では代わらない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第95条(管理人の権限)
管理人は、強制管理の開始決定がされた不動産について、管理並びに収益の収取及び換価をすることができる。
②管理人は、民法第六百二条に定める期間を超えて不動産を賃貸するには、債務者の同意を得なければならない。
③管理人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、執行裁判所の許可を受けて、職務を分掌することができる。
④管理人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
この条文の〇×問題(2問)
複数管理人に対する第三者の意思表示
強制管理において管理人が数人いる場合でも、賃借人が賃料の支払いを拒む旨の意思表示など、第三者の意思表示は管理人のうち一人に対してすれば足りる。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。管理人が数人の場合、職務は共同して行うのが原則だが、第三者の意思表示は管理人の一人に対してすれば足りると明文で定められている。共同職務制と受領権限の単独性は別の問題であり、混同しやすい点である。
学習ポイント:複数管理人の職務は共同だが、第三者の意思表示は一人への表示で足りる。受領は単独で有効。
第95条3項・4項
長期賃貸の要件
管理人は、民法602条に定める短期賃貸借の期間を超えて不動産を賃貸する場合でも、執行裁判所の許可を得れば、債務者の同意がなくてもこれを行うことができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。管理人が民法第六百二条に定める期間を超えて不動産を賃貸するには、債務者の同意を得なければならない。執行裁判所の許可は債務者の同意に代わるものではなく、代替する規定もない。同意権者を裁判所とすり替える誤りである。
学習ポイント:民法602条超の賃貸には「債務者の同意」が必要。裁判所の許可では代わらない。
第95条2項、関連:民法第602条
根拠・関連条文
問題で確認する
第95条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。