資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三編 債権/第二章 契約/第七節 賃貸借/第一款 総則

民法 第602条(短期賃貸借)

分野:賃貸借

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 期間上限超過時の短縮効果:無権限者の賃貸借が期間上限を超えても無効ではなく法定の上限に短縮される。動産は6箇月。
  • 期間制限の適用主体の限定:602条の期間制限は無権限者の賃貸借だけに及ぶ。権限ある賃貸人には604条の50年上限だけが及ぶ。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第602条(短期賃貸借)

処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、当該各号に定める期間とする。

一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借十年

二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借五年

三 建物の賃貸借三年

四 動産の賃貸借六箇月

この条文の〇×問題(2問)

期間上限超過時の短縮効果

処分の権限を有しない者が賃貸人として動産を1年の期間で貸す契約をした場合、その賃貸借は法定の期間制限に違反するため、契約全体が無効となる。

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正解 ×

誤り。602条は無権限者の賃貸借について動産は6箇月を上限とするが、これより長い期間を定めても契約は無効にならない。「その期間は、当該各号に定める期間とする」との定めにより期間が6箇月に短縮されるだけで、賃貸借自体は有効に存続する。

学習ポイント:無権限者の賃貸借が期間上限を超えても無効ではなく法定の上限に短縮される。動産は6箇月。

第602条4号

期間制限の適用主体の限定

土地の所有者が自ら賃貸人となって土地を貸す賃貸借には、処分の権限を有しない者がする賃貸借に課される5年の期間制限は適用されず、50年の範囲内であれば5年を超える期間を定めることができる。

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正解 ○

正しい。602条の期間制限(土地5年等)は「処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合」に限られる。所有者が自ら賃貸人となる賃貸借にはこの制限は適用されず、604条の定める50年の上限の範囲内で期間を定めることができる。

学習ポイント:602条の期間制限は無権限者の賃貸借だけに及ぶ。権限ある賃貸人には604条の50年上限だけが及ぶ。

第602条、関連:第604条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士平成26年度 問22ウ

相続人が3年を超えない期間を定めて相続財産である建物を賃貸しても、単純承認をしたものとみなされない。

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正しい

正しい。相続人が相続財産を処分すれば単純承認とみなされるが(民法921条1号本文)、保存行為及び短期賃貸借の期間(602条)を超えない賃貸は処分に当たらない(同号但書)。3年は建物賃貸の短期賃貸借期間内である。

賃管令和6年度 問4肢3

被保佐人が保佐人の同意を得ずに締結した期間2年間の定期建物賃貸借契約は無効である。

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誤り

誤り。建物の賃貸借は3年以内なら被保佐人が単独でできるため、期間2年の定期借家は保佐人の同意を得ずに有効に成立する。

賃管令和元年度 問17肢4

貸主が賃貸物件の保存を超える行為をしようとする場合でも、借主はこれを拒むことができない。

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誤り

誤り。借主が拒めないのは賃貸物の保存に必要な行為であり、保存を超える行為は拒める(民法602条2項)。

マン管平成28年度 問17肢3

Bが、自らの熟慮期間内に甲マンションの301号室を、Dに対して、賃貸期間を2年とする定期建物賃貸借契約により賃貸したときには、熟慮期間内であっても相続の放棄をすることができない。

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誤り

誤り。相続財産の処分は単純承認とみなされるが、民法602条に定める期間を超えない賃貸をすることは除かれる(民法921条1号ただし書)。建物の賃貸借で期間2年は602条の期間(3年)内であるから単純承認とはみなされず、熟慮期間内であれば相続の放棄ができる。

問題で確認する

第602条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。