第二編 第一審の訴訟手続/第四章 証拠/第五節 書証
民事訴訟法 第220条(文書提出義務)
分野:第一審の訴訟手続/証拠/書証・第一審の訴訟手続/証拠/第五節の二 電磁的記録に記録された情報の内容に係る証拠調べ
この条の要点
- 文書提出義務の発生事由:提出義務は引用文書・請求権文書・挙証者利益・法律関係文書・4号一般文書で発生。
- 4号の残余的構造:4号の秘密文書カテゴリは1〜3号に該当しない場合の残余要件。前号の義務が優先。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第220条(文書提出義務)
次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。
一 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。
二 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。
三 文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。
イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書
ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの
ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書
ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)
ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書
この条文の〇×問題(2問)
文書提出義務の発生事由
その訴訟で自ら援用した文書を手元に置く当事者や、挙証者の利益のため・両者間の法律関係のために作られた文書の持ち主は、それを出すことを断れない。
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正解 ○
正しい。文書提出義務は、当事者の引用文書の自己所持、挙証者の引渡・閲覧請求権がある文書、挙証者の利益又は挙証者・所持者間の法律関係について作成された文書、及び所定の秘密文書のいずれにも該当しない文書について発生する。
学習ポイント:提出義務は引用文書・請求権文書・挙証者利益・法律関係文書・4号一般文書で発生。
第220条1項各号
4号の残余的構造
持ち主だけが利用するために作った文書でも、訴訟で引用した文書など先に挙げた提出義務のあるものに当てはまる以上、その持ち主は出すことを断れない。
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正解 ○
正しい。第220条1項4号は前三号に掲げる場合以外の残余的規定であり、1号から3号の提出義務が優先する。専ら自己利用の文書でも、引用文書等の前号のいずれかに該当すれば提出義務が発生する。第220条1項4号は「前三号に掲げる場合のほか」と残余性を明示する。
学習ポイント:4号の秘密文書カテゴリは1〜3号に該当しない場合の残余要件。前号の義務が優先。
第220条1項4号
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成26年度 問38ウ
裁判所は、文書提出命令の申立てに係る文書が刑事事件に係る訴訟に関する書類に該当するかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、文書の所持者にその提示をさせることができる。
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誤り
誤り。文書の所持者に提示をさせることができるのは、文書が220条4号イからニまでに掲げる文書に該当するかを判断する場合であり(民事訴訟法223条6項)、刑事事件に係る訴訟に関する書類(同号ホ)は対象外である。
司法書士平成25年度 問39ア
専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)は、挙証者と当該文書の所持者との間の法律関係について作成された文書として、文書提出義務の対象となることはない。
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正しい
正しい。専ら文書の所持者の利用に供するための文書は文書提出義務の除外事由であり(民訴法220条4号ニ)、挙証者と所持者との間の法律関係について作成された文書にも当たらない(最判平12.3.10)。
解説で第220条を参照している問
問題で確認する
第220条の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。