第二編 物権/第二章 占有権/第一節 占有権の取得
民法 第183条(占有改定)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 占有改定による本人の占有取得:占有改定は代理人の意思表示だけで本人が占有権を取得する。物を動かす必要はない。
- 占有改定と簡易の引渡しの場面の区別:占有改定は渡す側が手元に残る場面。相手方が既に持つ場面は182条2項の問題。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第183条(占有改定)
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
この条文の〇×問題(2問)
占有改定による本人の占有取得
代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、占有物の現実の引渡しがなくても、本人はこれによって占有権を取得する。
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正解 ○
正しい。民法183条は、代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人はこれによって占有権を取得すると定める。占有の態様を自己のためから本人のために切り替える意思表示で足り、占有物の現実の移転は要しない。この占有改定は178条の引渡しにも当たりうる。
学習ポイント:占有改定は代理人の意思表示だけで本人が占有権を取得する。物を動かす必要はない。
第183条、関連:第178条
占有改定と簡易の引渡しの場面の区別
占有改定による占有権の取得は、占有権を取得する者が既に占有物を所持している場合にのみ用いることができる。
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正解 ×
誤り。占有を取得する側が既に占有物を所持している場合に意思表示のみで足りるのは182条2項の場面である。183条の占有改定は、代理人(例えば譲渡人)が引き続き物を所持したまま占有の意思を本人のために切り替える場合であり、物を手元に置き続ける側と取得する側の関係が逆である。
学習ポイント:占有改定は渡す側が手元に残る場面。相手方が既に持つ場面は182条2項の問題。
第183条、関連:第182条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和5年 問29肢1
構成部分が変動する集合動産についても、その種類、場所および量的範囲が指定され、目的物の範囲が特定されている場合には、一個の集合物として譲渡担保の目的とすることができ、当該集合物につき、AはBから占有改定の引渡しを受けることによって対抗要件が具備される。
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妥当である
構成部分が変動する集合動産でも種類・場所・量的範囲が特定されていれば一個の集合物として譲渡担保の目的となり、占有改定で対抗要件が具備される(判例)。
司法書士平成28年度 問9ア
Aは、Aが所有し占有する動産甲をBに売却し、同時に、動産甲について、Bとの間で、Bを貸主、Aを借主とする使用貸借契約を締結した。この場合において、Aが以後Bのために動産甲を占有する旨の意思表示をしたときは、Bは、動産甲の占有権を取得する。
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正しい
正しい。売主AがBのために占有する旨の意思表示(占有改定)により、現実の引渡しなくBは占有権を取得する(民法183条)。
解説で第183条を参照している問
問題で確認する
第183条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。