第二編 物権/第二章 占有権/第二節 占有権の効力
民法 第191条(占有者による損害賠償)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 所有の意思のない占有者の全額賠償責任:善意でも所有の意思のない占有者(他主占有)は滅失・損傷の全部を賠償する。
- 善意の自主占有者の賠償限度と果実取得:善意の自主占有者は賠償が現存利益限度にとどまり、果実も取得できる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第191条(占有者による損害賠償)
占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
所有の意思のない占有者の全額賠償責任
借り受けた物を占有する賃借人が、その物を自己の責めに帰すべき事由によって滅失させた場合、賃借人が善意の占有者であれば、滅失によって現に利益を受けている限度でのみ回復者に賠償すれば足りる。
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正解 ×
誤り。善意の占有者の賠償が現に受けた利益の限度にとどまるのは原則だが、所有の意思のない占有者は善意であっても損害の全部を賠償しなければならない。賃借人は所有の意思のない他主占有者であり、ただし書によって利益限度の軽減を受けない。
学習ポイント:善意でも所有の意思のない占有者(他主占有)は滅失・損傷の全部を賠償する。
第191条ただし書
善意の自主占有者の賠償限度と果実取得
自己の所有物であると信じて他人の物を占有している者が、その物を自己の責めに帰すべき事由で損傷した場合、回復者に対する賠償は損傷によって現に受けた利益の限度にとどまり、占有物から生ずる果実は返還せずに取得できる。
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正解 ○
正しい。善意の占有者は、占有物の滅失・損傷について現に利益を受けている限度でのみ賠償義務を負う。また善意の占有者は占有物から生ずる果実を取得するのが原則であり、全額賠償を負い果実の返還義務も負う悪意占有者とは対照的に軽い責任となる。
学習ポイント:善意の自主占有者は賠償が現存利益限度にとどまり、果実も取得できる。
第191条本文、関連:第189条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和6年度 問7ウ
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正しい
正しい。所有の意思のない占有者は善意であっても、占有物の滅失・損傷について損害の全部を賠償しなければならない(191条ただし書)。
司法書士令和2年度 問8オ
Aが、Bの所有する甲建物を自己の所有と偽って、事情を知らないCに賃貸している場合において、占有者Cがその責めに帰すべき事由によって甲建物を損傷させたときは、Cは、Bに対し、その損害の全部の賠償をしなければならない。
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正しい
正しい。他主占有者(賃借人C)は、占有物を滅失・毀損した場合、悪意であれば損害の全部を賠償しなければならず(民法191条後段)、本肢の損傷について全部の賠償義務を負う。
解説で第191条を参照している問
問題で確認する
第191条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。