第二編 物権/第二章 占有権/第二節 占有権の効力
民法 第202条(本権の訴えとの関係)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 占有の訴えにおける本権の抗弁の排除:占有の訴えでは本権の抗弁を判決の理由にできない。権原の主張は別途の本権の訴えに持ち込むもの。
- 占有の訴えの敗訴と本権の訴えの併存:占有の訴えと本権の訴えは相互に妨げない。一方の敗訴は他方の提起や勝訴を阻まない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第202条(本権の訴えとの関係)
占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
②占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
この条文の〇×問題(2問)
占有の訴えにおける本権の抗弁の排除
占有の訴えの被告が、占有物について自分が所有権を有することを立証した場合、裁判所はその立証を理由として占有者の請求を棄却することができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。被告が本権を有することを立証しても占有の訴えの勝敗には影響せず、占有の事実に対する侵害が認められれば占有者が勝訴する。本権の争いは、被告が別に提起する本権の訴えで解決すべき問題である。
学習ポイント:占有の訴えでは本権の抗弁を判決の理由にできない。権原の主張は別途の本権の訴えに持ち込むもの。
第202条2項
占有の訴えの敗訴と本権の訴えの併存
占有の訴えを提起して敗訴した者は、その占有が裁判上保護に値しないと判断された以上、同一の物について改めて本権の訴えを提起することはできない。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。占有の訴えは本権の訴えを妨げず、本権の訴えも占有の訴えを妨げない。両者は審理の対象が異なる独立した訴えであり、占有の訴えで敗訴しても、所有権等の本権に基づく請求を別の訴訟で主張することができる。占有の判断と本権の判断は相互に拘束しないのが民法の前提である。
学習ポイント:占有の訴えと本権の訴えは相互に妨げない。一方の敗訴は他方の提起や勝訴を阻まない。
第202条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成29年度 問9イ
Bは、Aが占有する動産甲を盗み、盗品であることを秘して動産甲をCに売却した。その際、Cは、動産甲が盗品である可能性があることは認識していたものの、動産甲が盗品であることを知ることはできなかった。この場合において、Aは、Cに対し、占有回収の訴えにより動産甲の返還を求めることができる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。侵奪者の特定承継人に対しては、その者が侵奪の事実を知っていれば占有回収の訴えを提起できるが(民法200条2項)、盗品である可能性を認識していただけでは足りない(最判昭56.3.19)。
解説で第202条を参照している問
問題で確認する
第202条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。