資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 物権/第三章 所有権/第一節 所有権の限界/第二款 相隣関係

民法 第210条(公道に至るための他の土地の通行権)

分野:所有権

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 高

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 袋地の賃借人の通行権:袋地の賃借人も、相隣関係規定の準用により通行権が認められ得る。
  • 公道不通の類型への拡張(崖・池沼):公道に出られないのが囲繞だけでなく、池沼・河川や崖の高低差でも同じ結論になる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第210条(公道に至るための他の土地の通行権)

他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

②池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

この条文の〇×問題(2問)

袋地の賃借人の通行権

他の土地に囲まれて公道に通じない土地を賃借して引渡しを受けた賃借人は、土地の所有者でないことだけを理由に、相隣関係の規定による囲繞地の通行を否定されるわけではない。

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正解 ○

正しい。囲繞地通行権は土地の所有者の権利として規定されているが(210条)、判例は、賃借土地の引渡しを受けた賃借人について213条を準用して通行権を認めた原審の判断を是認している(最判昭和36年3月24日)。所有者でないことだけで通行を否定することはできず、賃借権の適法性や袋地となった経緯等を踏まえて判断する。

学習ポイント:袋地の賃借人も、相隣関係規定の準用により通行権が認められ得る。

第210条、関連:第213条

公道不通の類型への拡張(崖・池沼)

土地と公道との間に崖があり著しい高低差があるため公道に出ることができない土地の所有者は、他の土地に囲まれて公道に通じないわけではないので、公道に至るため他の土地を通行する権利は認められない。

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正解 ×

誤り。囲繞地通行権は、他の土地に囲まれて公道に通じない場合のほか、池沼・河川・水路・海を通らなければ公道に至ることができない場合や、崖により土地と公道とに著しい高低差がある場合にも同様に認められる。「囲まれている」という外形だけが要件ではない。

学習ポイント:公道に出られないのが囲繞だけでなく、池沼・河川や崖の高低差でも同じ結論になる。

第210条2項

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和元年 問30ウ

甲土地が乙土地を通らなければ公道に至ることができない、いわゆる袋地である場合において、Cが、Aとの地上権設定行為に基づいて甲土地に丙建物を建築し乙土地を通行しようとするときは、Cは、甲土地の所有者でないため、Bとの間で乙土地の通行利用のため賃貸借契約を結ぶ必要がある。

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袋地の通行権(囲繞地通行権)は土地所有者だけでなく地上権者等にも認められ、Cは地上権者として乙土地を通行できる(賃貸借は不要)。誤り。

司法書士令和5年度 問8ア

他の土地に囲まれて公道に通じない土地(以下「袋地」という。)の所有権を取得した者は、所有権の移転の登記をしなくても、袋地を囲んでいる他の土地(以下「囲繞地」という。)の所有者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。

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正しい

正しい。袋地の所有権を取得した者は登記なくして囲繞地所有者に囲繞地通行権を主張できる(210条は隣接関係に基づく法定の権利・最判昭47.4.14)。

問題で確認する

第210条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。