第二編 物権/第九章 質権/第一節 総則
民法 第348条(転質)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 転質による損失への加重責任:転質によって生じた損失は不可抗力でも免責されない加重責任と覚える。
- 転質に設定者の承諾は不要:転質は質権者の自己の責任でできる行為で設定者の承諾は不要。留置権の担保供与と区別する。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第348条(転質)
質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で、質物について、転質をすることができる。この場合において、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても、その責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
転質による損失への加重責任
質権者が転質をしたことによって質物が失われた場合、その滅失が質権者の責めに帰すことができない不可抗力によるものであっても、質権者はその損失について責任を負う。
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正解 ○
正しい。民法348条後段は、転質をしたことによって生じた損失については、不可抗力によるものであっても質権者が責任を負うと定める。転質は質権者の自己の責任でされる行為であり、結果責任に近い加重された責任を課している。過失がなければ免責されるという通常の考え方をそのまま当てはめることはできない。
学習ポイント:転質によって生じた損失は不可抗力でも免責されない加重責任と覚える。
第348条後段
転質に設定者の承諾は不要
留置権者が留置物を担保に供する場合に債務者の承諾が必要であるのと同様に、質権者が質物についてさらに質権を設定する転質を行うにも、質権設定者の承諾がなければ効力を生じない。
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正解 ×
誤り。民法348条は質権者が自己の責任で質物について転質をすることを認めており、質権設定者の承諾は要件とされていない。留置権者が留置物を担保に供するには債務者の承諾を要する(298条2項)のとは対照的に、質権の転質は設定者の承諾なく有効に行うことができる。担保物権間で権利者の処分権限が異なる。
学習ポイント:転質は質権者の自己の責任でできる行為で設定者の承諾は不要。留置権の担保供与と区別する。
第348条、関連:第298条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和5年度 問14ウ
質権者は、その権利の存続期間内において、質権設定者の承諾がなくとも、質物を第三者に引き渡して、当該第三者のために転質権を設定することができる。
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正しい
正しい。質権者は、その権利の存続期間内において、自己の責任で質物について転質をすることができ、設定者の承諾を要しない(348条)。
解説で第348条を参照している問
問題で確認する
第348条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。