第二編 物権/第九章 質権/第一節 総則
民法 第345条(質権設定者による代理占有の禁止)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 占有改定による質権設定の可否:質権設定では設定者が占有を続ける占有改定は禁止され、引渡しは現実・簡易・指図の方法に限られる。
- 質物返還後の質権の存続と対抗力:質物を設定者に返還しても質権は消滅せず対抗力を失うだけ。占有回復で再び対抗可。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第345条(質権設定者による代理占有の禁止)
質権者は、質権設定者に、自己に代わって質物の占有をさせることができない。
この条文の〇×問題(2問)
占有改定による質権設定の可否
動産に質権を設定するに当たり、質権設定者が債権者との合意によって以後債権者のために質物を占有する旨を表示し、引き続き質物を手元に置く場合でも、債権者が間接占有を取得するので質権は有効に成立する。
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正解 ×
誤り。質権者は質権設定者に自己に代わって質物の占有をさせることができない。質権は債権者の占有を公示手段とするため、設定者が引き続き占有する占有改定による設定は認められず、債権者が間接占有を得ても質権は成立しない。
学習ポイント:質権設定では設定者が占有を続ける占有改定は禁止され、引渡しは現実・簡易・指図の方法に限られる。
第345条、関連:第344条
質物返還後の質権の存続と対抗力
有効に成立した動産質権について、質権者が質物を質権設定者に返還して占有を失った場合でも、質権自体は消滅せず、質権者は占有を回復すれば再び第三者に対抗できる。
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正解 ○
正しい。動産質権者による質物の占有継続は第三者への対抗要件であり(352条)、質物を設定者に返還しても、それだけで質権自体が消滅するわけではない(判例)。返還後は第三者に対抗できなくなるが、質権者が占有を回復すれば再び対抗できる。345条は占有改定による設定を禁じる規定で、成立後の返還の効果を定めるものではない。
学習ポイント:質物を設定者に返還しても質権は消滅せず対抗力を失うだけ。占有回復で再び対抗可。
第352条、関連:第345条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和2年 問28エ
質権が成立するためには目的物の引渡しが必要であるが、この引渡しには、設定者を以後、質権者の代理人として占有させる、占有改定による引渡しは含まれない。
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質権設定の引渡しに占有改定は認められない(民法344条・345条)。妥当。
司法書士令和8年度 問12ウ
質権は、指図による占有移転により設定することができる。
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正しい
正しい。質権は引渡しによる設定が原則だが、指図による占有移転(184条)でも設定できる(判例)。
司法書士平成31年度 問12オ
動産質権の設定は、債権者に対して質物を占有改定の方法で引き渡すことによっても、その効力を生ずる。
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誤り
誤り。動産質権の設定には質物の占有を債権者が取得することが必要であり、占有改定(設定者が占有を続ける方法)による引渡しは質権の設定として認められない(民法345条・182条)。
解説で第345条を参照している問
問題で確認する
第345条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。