第二編 物権/第九章 質権/第一節 総則
民法 第344条(質権の設定)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 第三者保管物への指図による質権設定:質権設定の引渡しは現実の引渡しに限らず簡易の引渡し・指図移転も有効で、禁じられるのは占有改定だけ。
- 引渡しを欠く質権設定の効力:質権は設定の合意だけでは成立せず、債権者への目的物の引渡しが効力発生の要件となる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第344条(質権の設定)
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。
この条文の〇×問題(2問)
第三者保管物への指図による質権設定
質物が第三者の管理する倉庫に保管されている場合、質権設定者の指図に基づきその管理者が債権者のために質物を占有する状態にすることによっても、質権の設定は効力を生ずる。
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正解 ○
正しい。質権の設定に必要な引渡しには現実の引渡しのほか簡易の引渡しや指図による占有移転も認められ、保管者が債権者のために質物を占有する状態を作れば質権は成立する。設定者自身が占有を続ける占有改定は禁止される点と区別される。
学習ポイント:質権設定の引渡しは現実の引渡しに限らず簡易の引渡し・指図移転も有効で、禁じられるのは占有改定だけ。
第344条・第184条、関連:第345条
引渡しを欠く質権設定の効力
動産について質権設定の合意が有効に成立していれば、目的物がまだ債権者に引き渡されておらず設定者の手元に残っていても、質権自体は成立している。
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正解 ×
誤り。質権の設定は債権者に目的物を引き渡すことによって効力を生ずる。物権変動は原則として当事者の意思表示のみで効力を生じるが、質権は引渡しを効力発生の要件とする特則があり、設定の合意だけでは質権は成立しない。
学習ポイント:質権は設定の合意だけでは成立せず、債権者への目的物の引渡しが効力発生の要件となる。
第344条、関連:第176条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和2年 問28エ
質権が成立するためには目的物の引渡しが必要であるが、この引渡しには、設定者を以後、質権者の代理人として占有させる、占有改定による引渡しは含まれない。
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質権設定の引渡しに占有改定は認められない(民法344条・345条)。妥当。
行政書士令和元年 問31肢2
不動産質権は、目的不動産を債権者に引き渡すことによってその効力を生ずるが、不動産質権者は、質権設定登記をしなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。
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妥当である
不動産質権は引渡しで効力を生じ、登記が対抗要件(民法344条・177条)。妥当。
司法書士令和5年度 問14イ
質権の設定は、債権者にその目的物を現実に引き渡さなければ、その効力を生じない。
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誤り
誤り。質権の設定は債権者への目的物の引渡しによって効力を生ずるが(344条)、引渡しには簡易の引渡しや指図による占有移転も含まれる。
解説で第344条を参照している問
問題で確認する
第344条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。