第三編 債権/第一章 総則/第二節 債権の効力/第一款 債務不履行の責任等
民法 第413条の2(履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 履行遅滞中の不可抗力による履行不能:遅滞の責任を負っている間の不可抗力による不能は債務者帰責とみなされ、免責されない。
- 遅滞の責任を負う前の履行不能:遅滞責任中の不能を債務者帰責とみなす規定は遅滞開始後の不能に限り、期限なし債務は請求を受けて初めて遅滞となる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第413条の2(履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由)
債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。
②債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。
この条文の〇×問題(2問)
履行遅滞中の不可抗力による履行不能
確定期限のある建物の引渡債務について、期限が到来した後も債務者が履行せず遅滞の責任を負っている間に、当事者双方の責めに帰すことができない地震によって建物が全壊して履行が不能となった場合、債務者は不可抗力を理由に損害賠償責任を免れることはできない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。債務者が遅滞の責任を負っている間に、当事者双方の責めに帰すことができない事由によって履行が不能となったときは、その不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。遅滞に陥った後の偶発的な事故でも債務者は免責されず、損害賠償責任を負う。
学習ポイント:遅滞の責任を負っている間の不可抗力による不能は債務者帰責とみなされ、免責されない。
第413条の2第1項、関連:第415条
遅滞の責任を負う前の履行不能
履行期限を定めなかった債務について、債務者がまだ債権者から履行の請求を受けていない間に、当事者双方の責めに帰すことができない事由によって履行が不能となった場合でも、債務者が履行をしていなかった以上、その不能は債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなされる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。履行不能を債務者の責めに帰すべき事由とみなすのは、遅滞の責任を負っている間に不能となった場合に限られる。期限の定めのない債務では、履行の請求を受けた時から遅滞の責任が始まるので、請求前の不能にはこのみなしが及ばず、債務者は免責される。
学習ポイント:遅滞責任中の不能を債務者帰責とみなす規定は遅滞開始後の不能に限り、期限なし債務は請求を受けて初めて遅滞となる。
第413条の2第1項、関連:第412条3項・第536条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和5年 問32肢3
Aが弁済期に甲を持参したところ、Bが甲を管理するための準備が整っていないことを理由に受領を拒んだため、Aは甲を持ち帰ったが、隣人の過失によって生じた火災により甲が損傷した。このような場合であっても、Bは、Aに対して甲の修補を請求することができる。
正誤と理由を見る
妥当でない
受領遅滞中の目的物の損傷はBの責任で生じた事由によるため、修補請求はできない(受領遅滞の効果・413条の2)。
宅建令和2年12月 問4肢2
債務の目的が特定物の引渡しである場合、債権者が目的物の引渡しを受けることを理由なく拒否したため、その後の履行の費用が増加したときは、その増加額について、債権者と債務者はそれぞれ半額ずつ負担しなければならない。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。債権者が受領を拒んだために履行費用が増加した場合、その増加額は債権者の負担(民法413条の2)であり、半額ずつではない。
解説で第413条の2を参照している問
問題で確認する
第413条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。