第三編 債権/第一章 総則/第六節 債権の消滅/第一款 弁済/第一目 総則
民法 第493条(弁済の提供の方法)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 口頭の提供が許される場面の限定性:口頭の提供は事前の受領拒否と債権者の行為が必要な場合だけ。原則は現実の提供。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第493条(弁済の提供の方法)
弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。
この条文の〇×問題(1問)
口頭の提供が許される場面の限定性
債務者が弁済の用意ができた旨を債権者に通知してその受取を促せば、債権者が事前に受け取りを拒む意思を示していなくても、現実の提供をすることなく弁済の提供をしたことになる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。弁済の提供は原則として債務の本旨に従い現実にしなければならない。準備の通知と受領の催告による提供が許されるのは、債権者があらかじめ受領を拒んだ場合と、履行に債権者の行為を要する場合に限られる。それ以外では現実の提供が必要である。
学習ポイント:口頭の提供は事前の受領拒否と債権者の行為が必要な場合だけ。原則は現実の提供。
第493条本文・ただし書
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和5年 問32肢1
Aは、Bが予め甲の受領を明確に拒んでいる場合であっても、甲につき弁済期に現実の提供をしなければ、履行遅滞の責任を免れない。
正誤と理由を見る
妥当でない
Bが事前に受領を明確に拒んでいる場合、現実の提供は不要で口頭の提供で足りる(民法493条)。
行政書士平成30年 問31肢4
債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をすれば債務不履行責任を免れるが、債権者において契約そのものの存在を否定する等弁済を受領しない意思が明確と認められるときは、口頭の提供をしなくても同責任を免れる。
正誤と理由を見る
妥当である
受領拒絶の意思が明確な場合は口頭の提供なしでも債務不履行責任を免れる(493条・判例)。妥当。
行政書士平成30年 問31肢5
債権者があらかじめ金銭債務の弁済の受領を拒んでいる場合、債務者は、口頭の提供をした上で弁済の目的物を供託することにより、債務を消滅させることができる。
正誤と理由を見る
妥当である
受領拒絶の場合、口頭の提供をした上で供託すれば債務は消滅する(494条・493条)。妥当。
行政書士平成27年 問32肢1
Bが履行期日を過ぎたにもかかわらず売買代金を支払わない場合であっても、Aが電器製品をBのもとに持参していないときは、Aは、Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことはできない。
正誤と理由を見る
正しい
持参債務では債務者が履行の提供として現実に持参しない限り、債権者の履行遅滞は生じない。正しい。
行政書士平成27年 問32肢3
Bが予め受領を拒んだため、Aは履行期日に電器製品をBのもとに持参せず、その引渡しの準備をしたことをBに通知して受領を催告するにとどめた場合、Bは、Aに対して、電器製品の引渡しがないことを理由として履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことはできない。
正誤と理由を見る
正しい
債権者があらかじめ受領を拒否したときは、弁済の準備をした旨の通知と受領の催告で履行の提供として足りる(493条但書)。正しい。
行政書士平成27年 問32肢5
履行期日になってBが正当な理由なく売買代金の支払をする意思がない旨を明確に示した場合であっても、Aは、電器製品の引渡しの準備をしたことをBに通知して受領を催告しなければ、Bに対して履行遅滞に基づく損害賠償責任を問うことができない。
正誤と理由を見る
誤り
履行期に支払意思がない旨明確に示した場合は、準備通知・受領催告なくして履行遅滞に基づく責任を問いうる。誤り。
解説で第493条を参照している問
問題で確認する
第493条の内容は1問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。