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第三編 債権/第二章 契約/第三節 売買/第二款 売買の効力

民法 第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)

分野:売買・交換

出題試験:宅建重要度 高行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 売主の悪意・重過失による通知期間の例外:1年の通知期間による制限は売主保護の制度。引渡時に悪意・重過失の売主には及ばない。
  • 数量の不適合への通知期間の不適用

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

条文の要点

不適合の通知期間とは、種類・品質の契約不適合を買主が知った時から1年以内に売主へ通知しないと担保責任を追及できなくなる期間です(566条1項)。

期間を過ぎると追完・代金減額・損害賠償・解除のすべてを使えなくなります。対象は種類・品質の不適合だけで、数量や移転した権利の不適合は含みません。売主が引渡し時に不適合を知り又は重大な過失で知らなかったときは制限されません。

不適合の通知期間の起算点と通知の内容

起算点は目的物の引渡しの時ではなく、買主が不適合を知った時です。通知は不適合の旨を伝えれば足り、損害額やその根拠の提示までは要りません。悪意・重過失の売主を期間の徒過で保護する必要がないため、ただし書で例外が置かれています。

項役割内容
1項本文要件種類又は品質に関して契約に適合しない目的物が引き渡される
1項本文期間買主が不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しないと、追完・減額・損害賠償・解除ができなくなる
1項ただし書例外売主が引渡しの時に不適合を知り又は重大な過失で知らなかったときは期間制限がかからない

具体例

BがAから機械を買い、使い始めて品質が契約に適合しないと分かりましたが、売主への通知を怠って知ってから1年が過ぎました。

Bはその不適合を理由に、修補・減額・賠償・解除のいずれも請求できなくなります。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aが機械を引き渡した時点でその不適合を知っていた場合に変えます。

売主Aの悪意なので期間制限はかからず、1年を過ぎてもBは担保責任を追及できます。

関連条との違い

  • 民法 第562条:数量の不適合は追完請求の対象に含まれるが、566条の1年の期間制限はかからない。通常の消滅時効の問題になる
  • 民法 第565条:移転した権利の不適合は追完・減額・損賠・解除の規定が準用されるが、566条の期間制限の対象は種類・品質だけ

過去問で誤りとされた肢の型

  • マン管令和2年度 問15肢2

    1年以内の通知に損害額とその根拠の提示まで要するとした誤り。不適合の旨の通知で足りる

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文の〇×問題(2問)

売主の悪意・重過失による通知期間の例外

買主が目的物の種類や品質に関する契約不適合を知ってから1年が経過した後でも、売主がその目的物を引き渡した時点で不適合を知っていたのであれば、買主はその不適合を理由として契約の解除や損害賠償を請求することができる。

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正解 ○

正しい。種類や品質の不適合を有する目的物が引き渡された場合、買主は不適合を知った時から1年以内に通知しないと追完・代金減額・損害賠償・解除の権利を失うが、売主が引渡しの時に不適合を知り又は重大な過失で知らなかったときはその限りでない。悪意・重過失の売主を期間徒過で保護する必要はない。

学習ポイント:1年の通知期間による制限は売主保護の制度。引渡時に悪意・重過失の売主には及ばない。

第566条ただし書

数量の不適合への通知期間の不適用

売主が引き渡した目的物の数量が契約の内容に適合しない場合、買主はその不適合を知った時から1年以内に売主に対して通知をしなければ、数量の不足を理由に履行の追完や契約の解除を請求することができない。

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正解 ×

誤り。1年以内の通知を要するのは種類又は品質に関する契約不適合に限られ、数量の不足は含まれない。数量不足も履行の追完・代金減額・損害賠償・解除の対象にはなるが、通知期間による制限はなく、通常の消滅時効の問題となる。限定列挙された不適合類型を他へ広げて適用するのは誤りである。

学習ポイント:1年の通知義務がかかるのは種類・品質の不適合だけ。数量不足や権利の不適合には及ばない。

第566条、関連:第562条1項・第565条

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和3年度 問18オ

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合であっても、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなかったときは、売主がその引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときを除き、買主は、その不適合を理由として、損害賠償の請求をすることができない。

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正しい

正しい。買主が種類・品質の不適合を知った時から1年以内に売主に通知しなかったときは、売主が引渡し時に不適合を知り又は重大な過失で知らなかったときを除き、不適合を理由とする損害賠償請求ができない(566条)。

司法書士平成30年度 問18ウ

売買の目的である土地について第三者が登記をした賃借権を有していたときは、買主は、当該土地の引渡しを受けた時から1年以内に限り、売買契約の解除をすることができる。

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誤り

誤り。第三者の登記された賃借権による解除の期間制限は、買主がその事実を「知った時」から1年であり、引渡しを受けた時からではない(民法566条3項)。

宅建令和3年12月 問4肢4

目的物の引渡しの時点で目的物が品質に関して契約の内容に適合しないことをAが知っていた場合には、当該不適合に関する請求権が消滅時効にかかっていない限り、BはAの担保責任を追及することができる。

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正しい

正しい。引渡し時点で売主が不適合を知っていた場合は通知期間の制限なく担保責任を追及できる(民法566条3項)。

宅建令和2年12月 問7肢1

甲土地の実際の面積が本件契約の売買代金の基礎とした面積より少なかった場合、Bはそのことを知った時から2年以内にその旨をAに通知しなければ、代金の減額を請求することができない。

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誤り

誤り。面積不足は数量に関する契約不適合であり、種類・品質の不適合を対象とする民法566条の通知期間とは区別する。「知った時から2年以内に通知」が代金減額の要件となる規定はない。566条の対象では、原則として不適合を知った時から1年以内である。

マン管令和2年度 問15肢2

Bが、Aに対して、雨漏りを発見した時から1年以内に損害額及びその根拠を示して損害賠償を請求しないときは、Bは損害賠償請求をすることができない。

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誤り

誤り。1年以内の通知は契約に適合しない旨を通知すれば足り、損害額とその根拠の提示までは要しない。

問題で確認する

第566条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。