第三編 債権/第二章 契約/第七節 賃貸借/第二款 賃貸借の効力
民法 第607条(賃借人の意思に反する保存行為)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 保存行為を理由とする解除の要件の限定:解除には賃借目的を達することができなくなる程度が必要で、単なる不都合では足りない。
- 賃貸借解除の遡及効なしと損害賠償:賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じ、損害賠償の請求は妨げられない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第607条(賃借人の意思に反する保存行為)
賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
保存行為を理由とする解除の要件の限定
賃貸人が賃借人の意思に反して賃借物の保存行為を実施しようとする場合、そのために賃借人が賃借をした目的の達成に一定の支障が生じるにすぎないときでも、賃借人は契約を解除することができる。
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正解 ×
誤り。賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合に解除が認められるのは、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときに限られる。単に不便が生じる程度や一時的な支障では足りない。なお賃借人は保存行為自体を拒むこともできない。
学習ポイント:解除には賃借目的を達することができなくなる程度が必要で、単なる不都合では足りない。
第607条、関連:第606条第2項
賃貸借解除の遡及効なしと損害賠償
賃借人が賃貸人による保存行為を理由に賃貸借を解除した場合、その解除は将来に向かってのみ効力を生じるが、賃借人は解除とともに損害賠償の請求をすることも妨げられない。
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正解 ○
正しい。賃貸借は継続的契約であり、その解除は将来に向かってのみ効力を生ずるため、既に経過した期間の賃料や使用収益の関係には遡及しない。他方で解除があっても損害賠償の請求は妨げられないとされるため、賃借人は解除と併せて損害賠償を請求し得る。
学習ポイント:賃貸借の解除は将来に向かってのみ効力を生じ、損害賠償の請求は妨げられない。
関連:第620条、第607条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
マン管令和6年度 問14肢3
BがAに床の修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときには、Bは自らその修繕をすることができる。
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正しい
正しい。修繕を要する旨の通知後に賃貸人が相当期間内に修繕をしないときは、借主が自ら修繕をすることができる。
解説で第607条を参照している問
問題で確認する
第607条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。