資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三編 債権/第二章 契約/第九節 請負

民法 第633条(報酬の支払時期)

分野:雇用・請負

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第633条(報酬の支払時期)

報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。

条文の要点

請負の報酬とは、仕事の完成に対して注文者が支払う対価で、仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければなりません(633条本文)。

引渡しを要する請負では、目的物の引渡しと報酬支払が同時履行の関係に立ちます。請負人は引渡しに先立って報酬を求められず、仕事の完成が報酬請求の前提です。物の引渡しを要しない請負でも、仕事を終えた後でなければ報酬を請求できません。

請負の報酬の支払時期の決まり方

引渡しと引き換えの後払いが原則で、工事の着手時に支払う義務は特約がなければありません。出来高払いや着手金の特約は可能です。仕事が完成不能になったり完成前に解除されても、可分な給付で注文者が利益を受けていれば利益の割合に応じた報酬を請求できます。

項役割内容
1項本文効果物の引渡しを要する請負では、報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払う
1項ただし書例外物の引渡しを要しないときは、仕事を終えた後でなければ報酬を請求できない

具体例

AがBに家のリフォーム工事を注文し、Bが工事を完成させました。Bは引渡し前から全額の報酬を先に支払うよう求めています。

Bは目的物の引渡しと引き換えにしか報酬を請求できず、引渡しに先立つ支払請求はできません。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Bの仕事が庭木の剪定のように物の引渡しを要しないものだった場合に変えます。

物の引渡しを要しないので、同時履行の引換えは要りません。Bは既に剪定を終えていれば報酬を請求できます。

関連条との違い

  • 民法 第624条:雇用の報酬も約した労働を終えた後でなければ請求できない後払い。引渡しの要らない請負にこの規定が準用される
  • 民法 第634条:仕事が完成不能・完成前解除でも、可分な給付で注文者が利益を受ければ、その部分を完成とみなして利益の割合に応じた報酬を請求できる

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士令和2年 問32肢4

    同時履行の関係だから引渡しに先立って報酬を求められるとした誤り。同時履行は引渡しと引き換えの支払を意味する

  • マン管令和元年度 問16肢1

    特約がなくても工事の着手と同時に報酬の支払義務が生じるとした誤り。報酬は仕事の完成後の後払い

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和2年 問32肢4

請負契約においては仕事完成義務と報酬支払義務とが同時履行の関係に立つため、物の引渡しを要する場合であっても、特約がない限り、仕事を完成させた請負人は、目的物の引渡しに先立って報酬の支払を求めることができ、注文者はこれを拒むことができない。

正誤と理由を見る

妥当でない

物の引渡しを要する請負では目的物の引渡しと報酬支払が同時履行の関係に立つ(民法633条・判例)。『引渡しに先立って報酬を求められる』は誤り。

行政書士平成23年 問34ア

Aの請負代金の支払いは、Bの本契約の目的物の引渡しと同時になされるものとする。

正誤と理由を見る

民法に規定されている

請負の報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければならない(633条)。民法の規定と同じ。

司法書士令和5年度 問18ア

目的物の引渡しを要する請負契約においては、報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。

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正しい

正しい。目的物の引渡しを要する請負では、報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払わなければならない(633条前段)。

賃管令和4年度 問5肢4

Aに対する修繕の報酬の支払とBに対する建物の引渡しとは、同時履行の関係にあるのが原則である。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。請負では仕事完成の引渡しと報酬の支払は同時履行の関係にあるのが原則である。

マン管令和元年度 問16肢1

AB間での請負契約に係る別段の特約のない限り、Aは、Bがリニューアルの工事に着手するのと同時に、報酬 100 万円をBに支払わなければならない。

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誤り

誤り。請負の報酬は別段の特約がなければ仕事完成後の支払いが原則で、着手時の支払義務はない。

問題で確認する

第633条の内容は1問の条文穴埋めで確認できます。