第三編 債権/第二章 契約/第九節 請負
民法 第632条(請負)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 結果債務としての仕事の完成と報酬:請負の報酬は労務ではなく仕事の結果への対価。未完成なら労務分の請求はできない。
- 請負と準委任の区別:事実行為かどうかではなく、仕事の完成と結果への対価があるかが請負の識別基準。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第632条(請負)
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
この条文の〇×問題(2問)
結果債務としての仕事の完成と報酬
請負契約において請負人は仕事の完成を約するが、約定の期間中に誠実に労務を提供したにもかかわらず仕事が完成しなかった場合でも、提供した労務の割合に応じた報酬を請求することができる。
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正解 ×
誤り。請負の報酬は仕事の結果に対する対価であり、仕事が完成しない以上、労務を提供したことだけでは報酬を請求できない。労務の提供自体を目的とする雇用とは異なり、請負人は結果について責任を負う。なお、既遂部分が可分で注文者が利益を受ける場合など、完成をみなして利益の割合に応じた報酬請求を認める例外は別に定められている。
学習ポイント:請負の報酬は労務ではなく仕事の結果への対価。未完成なら労務分の請求はできない。
第632条、関連:第623条・第634条
請負と準委任の区別
法律行為でない事務の処理を引き受ける契約であっても、ある仕事の完成を目的とし、報酬がその仕事の結果に対して支払われるものは、委任の規定が準用される準委任ではなく請負となる。
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正解 ○
正しい。請負と委任・準委任の区別は、対象が法律行為か事実行為かではなく、仕事の完成を目的とし報酬がその結果への対価であるかどうかによる。事実行為であっても、建築や運送のように仕事の完成を約するものは請負である。法律行為でない事務の委託に委任の規定が準用される準委任となるのは、結果の完成を目的としない事務処理の委託である。
学習ポイント:事実行為かどうかではなく、仕事の完成と結果への対価があるかが請負の識別基準。
第632条、関連:第643条・第656条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成30年度 問19イ
この契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
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誤り
誤り。委任も請負も諾成契約であり(民法643条・632条)、書面を要しない。いずれでも正しくない。
司法書士平成30年度 問19ウ
この契約は、有償契約のものも、無償契約のものもある。
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正しい(委任のみ)。委任は原則無償だが特約で報酬を定めれば有償となる(民法648条1項)。請負は仕事の結果への報酬支払を内容とする常に有償の契約である(632条)。
賃管令和3年度 問4肢2
民法上の請負は、法律行為又は事実行為をすることを目的とする。
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誤り
誤り。法律行為又は事実行為を目的とするのは委任・準委任で、請負は仕事の完成を目的とする契約(民法632条)。
解説で第632条を参照している問
問題で確認する
第632条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。